5801泣き坂ザカ(花輪花軒田)
 
                    参考:鹿角市発行「陸中の国鹿角の伝説」
 
 尾去沢と花軒田ハナノキダの境い目に、高寺山タカデラヤマと云う山があるのを知っています
か。昔はね、この山の麓フモトにお寺が一軒あったそうです。
 あるとき、このお寺の小坊が、尾去沢の鉱山から松子沢、高寺、花軒田を通って野辺
地ノヘジへ行く金の牛ベコの行列から牛一匹をまんまと盗んで、沢に隠したが、すぐ尋ねら
れてしまいました。
 小坊は縛シバられて泣きながら引っ張られて云った処を「泣き坂」と云い、小坊の隠れ
ていた沢を「ぼうず沢」と云います。
 高寺山には蒼前さん(馬の神さん)のお堂があって、その側の「かぎかけの松」の枝
に、鍵になった木の枝が沢山下がっていたものですが、何時イツかの台風で松の木の枝が
折れてしまって、今は何も無くなってしまったそうです。
 
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