5105男神オガミと女神メガミのこと
 
                    参考:鹿角市発行「陸中の国鹿角の伝説」
 
 鹿角の三つの川がみんな集まって、能代ノシロの方へ流れて行く処の、その両側が高くな
っている処を、昔の人達は「岩の脇ワキ」と云って、右の方を男神、左の方は女神さんを
祀っております。
 男神の方は伊邪那岐命イザナギノミコトと云う男の神様、女神の方は伊邪那美命イザナミノミコトと
云う女の神様を祀っていて、どちらにも木で作ったご神体(神様)が岩穴の中に安置さ
れております。
 
 此処は、十和田湖を追い出された八郎太郎が、茂谷モヤの山に縄を懸けて背負って来て、
米代川を堰止めて、鹿角をみんな湖にする気になった処です。
 昔は松山マツヤマから神田シンタへ行くときは、女神の上の急な紀の国坂キノクニザカを越えて行
くのでした。
 石野イシノから瀬田石セタイシへ行くときは、男神の岩の下におっかない吊り橋があって、そ
の橋を渡って毛馬内ケマナイの方へ行ったものでした。
 男神さんも女神さんも、雪崩ナダレがおきないように、川に流されないようにと言って、
みんなの安全を頼む神様なのです。
 
[地図上の位置(男神女神付近)→]
[地図上の位置(茂谷山)→]

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