09 水沢の桂カツラ(水沢)
 
        参考:八幡平地区連合青年会発行「むらのいぶき(八幡平の民俗)」
 
 八幡平へ登る道路の水沢部落に、「桂温泉」なる標識がある。そこの十字路を左の方
へ水沢林道を入って行き、川を渡ると右側に大きな「カツラ」が曰く有りげ聳えている。
そのカツラは、根元から二十数本の幹を出し、樹高二十数米の大株である。
 珍しいことにその真中に直径四十p余の桜の木が共生しており、昔から信仰の対象と
なっていた。
 
 このことを長老に聞くと、自分達の幼い頃、カツラは一本の太い大樹であったが、根
元から伐採してしまったのに根だけが生き続け、根周りから芽を出して大きく生長し、
今のように鬱蒼と聳えているという。
 また真中に生えている桜の木は、切り株が年月を経て土が溜まり、飛んできた種が発
芽したものという。
 根元には竜神を祀ったと思われる小さな祠が建てられていたが、昭和五十一年十月に
水沢部落及び有志により新しく立派に建てられた。東方には桂大神社と書かれた鳥居も
ある。
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