02 楽舞考[楽舞総載]
 
                       参考:吉川弘文館発行「古事類苑」
 
                     本稿は、吉川弘文館発行「古事類苑」を
                    参考にさせていただきました。
                     同書中、わが国古来のもので、かつ和歌
                    とも関連するものについて、概略抽出して
                    みました。SYSOP
 
[楽舞総載]
本邦楽舞の起原は遠く神代に在り。
外国と交通するに及びて、新羅楽、百済楽、高麗楽、唐楽、伎楽、邑楽等伝はれり。
凡そ楽舞には唱歌楽器を主とするものと、舞踊を主とするものとあり。
唱歌楽器を主とするものは、律呂、五音、八音、十二調子等の楽調に依りて之を奏し、
舞踊を主とするものは、舞譜に依り、声調に応じて之を奏す。
舞楽は唐楽を左方とし、高麗楽を右方とす。
左右各々一曲を番ひて一番とし、之を番楽と称す。
其の楽曲は之を大中小の三曲に別ち、また製楽の時代によりて、古楽新楽の目あり。
 
文武天皇大宝の制、雅楽寮を置きて楽舞の事を総管せしめ、別に内教坊を置きて女楽の
事を掌らしめむ。
凡そ朝廷の儀式、神事、仏会等には必ず楽舞を奏す。
楽家其の業を子孫に伝へ、晋(手偏+晋)紳シンシン(貴顕の人)の間にも、亦音楽を翫ぶ
こと甚だ盛なりしかば、中古喪乱の世を経と雖も、尚ほ上古の楽曲を失はず。
幸に伝へて今日に至れるもの多し。
 
蹴鞠
雨ふれば軒の玉水つふつふと いはゞや物を心ゆくまで
                  (古今著聞集 六管絃歌舞 侍従大納言成通)
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