36 道路を詠める和歌
 
                       参考:吉川弘文館発行「古事類苑」
 
やすみしゝ わご大王 高ひかる 日の皇子ミコ あらたへの 藤井が原に 大御門 始
め賜ひて はにやすの 堤ツツミの上に あり立たし 見しめ賜へば 日本ヤマトの 青香具
山は 日の経タテの 大御門に 春山と しみさび立てり 畝火ウネビの このみづ山は 
日の緯ヨコの 大御門に みづ山と 山さびいます みみなしの 青菅山アヲスガヤマは そと
もの 大御門に 宜ヨロしなべ 神さび立てり なぐはし 吉野ヨシヌの山は かげともの 
大御門ゆ 雲居にぞ 遠く有りける 高知るや 天の御蔭ミカゲ 天知るや 日の御蔭の
水こそは とこしへならめ 御井ミイの清水マシミヅ(萬葉集 一雑歌)
 
月夜よみ妹にあはむと直道タダチから 吾れは来れども夜ぞふけにける
                           (同 十一古今相聞往来歌)
 
恋ひわびて打ぬるなかに行がよふ 夢のたゞちはうつゝならなむ
                   (古今和歌集 十二恋 藤原としゆきの朝臣)
 
△懸路カケヂ
雲のゐる峯のかけ路を秋ぎりの いとゞへだつるころにも有かな
                            (源氏物語 四十五橋姫)
 
山たかみかけぢのくものたえまより ふもとのなみをいづる月かげ
                    (夫木和歌抄 三十六眺望 前大納言良卿)
 
谷河はこほりしにけりあさ日さす いはのかけぢにかもめむれゐる(同 十七水鳥)
 
おそろしやきそのかけぢの丸木橋 ふみみるたびに落ぬべきかな
                        (千載和歌集 十八雑 空人法師)
 
こえ暮て独やねなん里遠き 山のかけぢの苔のさ筵
                  (新続古今和歌集 十羇旅 称名院入道内大臣)
△七道
ことしより君に千年をゆづるをぞ とうかいだうに求いでたる(松屋筆記 七)
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