35 牧を詠める和歌
 
                       参考:吉川弘文館発行「古事類苑」
 
なつくともいかゞとるべき草若み みづのみまきにあるゝ春駒(堀河院御時百首和歌)
 
まごもかるみづの御牧ミマキの駒のあしの はやくたのしき世をもみる哉(兼盛集)
 
世にふれば心の外にあくがれて 君が立名をよそにこそきけ
人なれぬみづのみまきの駒なれや たつなもさらにあらじとぞ思ふ(以上 重之集 下)
 
かりてほす美豆の御牧の夏草は しげりにけりな駒もすさめず(内裏名所百首)
 
さみだれにからぬしげみのすゑはのみ みづのみまきにのこるうき草
                       (夫木和歌抄 二十二牧 隆祐朝臣)
 
みちのくのあらのゝまきのこまだにも とればとられてなれゆく物を
                          (同 皇太后宮大夫俊成卿)
 
なづけたるすゝのみまきのこまなれや かひしふるのをわすれざりける(同 祐挙)
あはれにもこまかへりける心哉 いかなるすゝのみまきなるらん(同 よみ人しらず)
 
引分てをかやに立しあら駒の みなれぬ袖におどろきやせん(年中行事歌合 宗久)
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