14 霙ミゾレ・霰アラレを詠める和歌
 
                      参 考:吉川弘文館発行「古事類苑」
 
△霙
春雨に散花みればかきくらし みぞれし空の心ちこそすれ
                        (千載和歌集 二春 大納言長家)
 
△霰
霰アラレふりいたま風吹き寒き夜や 旗野ハタヌに今夜コヨヒわが独り寝む(萬葉集 十冬相聞)
 
霜の上にあられたばしりいやましに あればまゐこむ年の緒ヲながく(同 二十)
 
霰ふり鹿島の崎を浪高み 過ぎてや行かむ恋ひしきものを(同 七雑歌)
 
あられふりかしまのかみをいのりつゝ すめらみくさにわれはきにして(同 二十)
 
霰ふりとほつ大浦によする浪 よしもよすともにくからなくに
                          (同 十一古今相聞往来歌類)
 
あられ降り遠江トホツアフミのあとかはやなぎ 苅れゝどもまたおふちふあとかはやなぎ
                                 (同 七雑歌)
 
道たえて人もたづねぬ槙の戸に 冬の夜すがらあられをとなふ
                    (堀河院御時百首和歌 冬 右兵衛督師頼)
 
かりを田の鴫シギのうはげにふるあられ たまして鳥をうつかとぞみる
                             (新撰六帖 一 行家)
 
ものゝふの矢なみつくろふ小手の上に 霰たばしる那須の篠原(金槐和歌集 冬)
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