08 霞を詠める和歌
 
                       参考:吉川弘文館発行「古事類苑」
 
△春霞
おくれゐてわれはや恋む春霞ハルガスミ たなびく山を君が越えいなば(萬葉集 九相聞)
 
久方の天の芳山カグヤマこの夕ユフべ 霞たなびく春立つらしも(同 十春雑)
 
春のきる霞の衣ぬきをうすみ 山風にこそみだるべらなり
                       (古今和歌集 一春 在原行平朝臣)
 
くれてゆく春の残りをながむれば 霞のそこに有明の月
                        (玉葉和歌集 二春 式子内親王)
 
春のこし朝の原の八重霞 日をかさねてぞ立まさりける(続千載和歌集 一春 相模)
 
△秋霞
秋の田の穂の上ヘにきらふ朝霞 何時イツべの方カタに我が恋ひやまむ(萬葉集 二相聞)
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