07 雲を詠める和歌
 
                       参考:吉川弘文館発行「古事類苑」
 
△名称
こゝにして家やもいづく白雲の たなびく山をこえて来にけり(萬葉集 三雑歌)
 
きた山にたなびく雲の青雲アヲグモの 星わかれゆき月もわかれて(同 二相聞)
 
わたつみの豊旗雲トヨハタクモにいりひさし 今夜コヨヒの月夜ツクヨあきらけくこそ(同 一雑歌)
 
△慶雲・五色雲・紫雲・赤雲
もろ人のあふぐのみかは君が代は 空によろこぶ雲も有けり
                      (夫木和歌抄 十九雲 土御門内大臣)
 
△雑載
石倉イハクラの小野ヲヌゆ秋津アキツにたちわたる 雲にしもあれやときをし待たむ
                              (萬葉集 七譬喩歌)
 
夕暮は雲のはたてに物ぞ思 あまつ空なる人をこふとて
                       (古今和歌集 十一恋 読人しらず)
 
月のまへに時雨すぎたるあた雲を はらふならひは秋の山風
                        (夫木和歌抄 十九雲 慈鎮和尚)
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