33c  《色いろいろ》
 
     321錆鼠サビネズ
     藍鼠色に白茶色を掛けた色。▽暗い青味の灰色。
     322想思鼠ソウシネズミ
     近代以降の文学的な表現による色名らしいが,詳しいことは分
     からない。▽薄い紫味の青。
     323濃鼠コイネズ・コイネズミ・コネズ・コネズミ
     鼠色の濃いもの。▽暗い灰青紫。
     324薄鼠ウスネズ・ウスネズミ
     薄い鼠色。▽明るい灰青紫。
     325灰色ハイイロ
     灰のように薄黒い色。黒と白の中間の色であるところから,主
     義主張,所属などがはっきりしないこと,また色相から陰気で
     寂しいことや無味乾燥なことも表す。
     326灰赤ハイアカ
     灰色がかった赤。▽灰赤。
     327グレー
     黒と白の中間の色を指す色名。今日,日常語としては「灰色」
     「鼠色」に代わってごく一般的に用いられるようになった。
     328チャコールグレー
     木炭,炭のような黒っぽい鼠色。濃い灰色。▽暗い灰紫。戦後
     の経済成長時代に,背広の色として一般化し,ドブネズミスタ
     イルと揶揄ヤユされた。
     329パールグレー
     真珠の色を帯びた淡い灰色。▽灰黄。
     330スカイグレー
     薄曇りの空のようなグレー。▽明るい灰青。
   
     331バーガンディ
     フランスのバーガンディ(ブルゴーニュ)地方で産する赤葡萄
     酒のような色。▽ごく暗い赤。
     332モスグレー
     苔色がかったグレー。▽灰黄緑。
     333スノーホワイト
     雪のような真っ白い色。
     334白シロ/鉛白色エンパクショク
     あらゆる波長に亙る可視光線を反射する物体を見て感じられる
     色。ただし,完全な白は現実には存在しない。鉛白色は,塩基
     性炭酸鉛を成分とし主に塗料とする鉛白の色。シルバーホワイ
     トとも。
     335乳白色ニュウハクショク/ミルク色
     乳汁のような不透明な白色。
     336象牙色ゾウゲイロ/アイボリー
     象牙のような色。▽明るい灰黄。象牙は,象ゾウの上顎にある長
     く伸びた2本の門歯。
     337灰白色カイハクショク
     灰色がかった白色。▽黄味の白。
     338砂色スナイロ
     砂のような灰色がかった黄色。▽灰黄。
     339灰汁色アクイロ
     灰汁のような色。▽黄味の灰色。灰汁は灰を水に浸けてできた
     上澄みの水で,布を洗ったり媒染剤としたりする。
     340空五倍子色ウツブシイロ
     白膠木ヌルデの枝に生ずる五倍子フシで染めた薄黒い色。▽灰黄。
     五倍子は,ヌルデノミミフシという虫が寄生してできるもので,
     殻にタンニンを多量に含む。
   
     341青鈍アオニビ
     浅葱アサギ色に,青味が混じった色。尼などが用いる色で,凶事
     や仏教関係の服飾に多く用いられる。あおにぶ。▽緑味の灰色。
     342涅色・皀色クリイロ
     涅のような色。水の底に澱ヨドむ黒い土。古くは黒色,後,褐色
     がかった黒色。▽暗い灰黄。
     343憲法色ケンボウイロ・ケンポウイロ
     楊梅ヤマモモの樹皮で染めた黒茶色。憲法染はこの地に小紋を染め
     たもの。室町時代末期の剣術家吉岡憲法の創案。吉岡染とも。
     ▽暗い黄味の灰色。
     344蝋色ロウイロ・呂色ロイロ
     漆工芸の塗りの技法の一つの蝋色塗りの色。蝋色塗りは油分を
     含まない蝋色漆を塗り,木炭で研ぎ出し,種油と角粉ツノコをつけ
     て磨き,光沢を出す。
     345墨色スミイロ
     書いたり,染めたりした墨の色。墨は,菜種油や松根を燃やし
     てできた良質の煤ススを膠ニカワで練って,香料などを加え,型に入
     れて固めもの。硯スズリで摺って水に溶かして使う。
     346赤墨アカズミ
     赤色が入った墨色。
     347青墨アオズミ
     青色が入った墨色。
     348紫黒色シコクショク
     紫がかった黒い色。
     349黒クロ
     木炭や墨のような色。あらゆる波長に亙る可視光線を吸収する
     物体を見て感じられる色。ただし,完全な黒は現実には存在し
     ない。
     350漆黒シッコク
     黒漆を塗ったように黒くて艶ツヤのある色。真っ黒の意でも使う。
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