31d 《色いろいろ》
121杏色・杏子色アンズイロ
熟した杏子の実のような色。▽くすんだ黄赤。杏子はバラ科の
落葉小高木。
122紅鬱金ベニウコン
紅色を帯びた鬱金色。▽くすんだ黄赤。
123赤朽葉アカクチバ
朽葉色の赤味を帯びたもの。▽くすんだ黄赤。中古,襲カサネの色
目としては,青朽葉とともに用いられた。
124朽葉クチバ
落ち葉のような色。▽くすんだ赤味の黄。近世以降の「茶」に
相当するもので,「赤朽葉」のほかに,黄色味の「黄朽葉」が
あった。
125黄櫨色・櫨色ハジイロ・ハゼイロ
黄櫨・櫨ハジの樹皮の煎汁で染めた色。▽くすんだ黄赤。ハジ(
ハゼ)はウルシ科の落葉小高木。黄櫨染を「こうろぜん」と読
むときは別の色。
126丁子色・丁字色チョウジイロ
丁子の樹皮などの煮汁で染めた色。▽くすんだ赤味の黄。チョ
ウジはフトモモ科の常緑高木。淡紅色の花は芳香があり,蕾
ツボミを乾燥させたものを丁子又は丁香といい,香料や染料とし
て用いる。
127伽羅色キャライロ
香木の伽羅で染めた色。▽くすんだ黄赤。伽羅は,香の名でも
あり,香木中の至宝される。
128駱駝色ラクダイロ
駱駝の毛のような色。▽くすんだ黄赤。ラクダは,ラクダ科の
哺乳類。織物の色キャメルをいうことが多い。
129キャメル
キャメルはラクダの意で,ラクダの毛でカシミア織にした高級
な洋服地の色。▽くすんだ赤味の黄。
130狐色キツネイロ
狐の毛の色(普通,橙褐色)に似た色。▽くすんだ赤味の黄。
キツネはイヌ科の哺乳類。
131肌色ハダイロ/肉色ニクイロ/人色ヒトイロ
人の肌や肉のような色。▽薄い黄赤。
132萱草色カンゾウイロ
萱草の花の色。▽赤味の黄。カンゾウは,ユリ科の多年草。主
にヤブカンゾウを指す。各地の原野,山地などに広く分布し,
夏,黄に赤味を帯びたユリに花を数個つける。身につけると憂
さを忘れると考えられていたところから,忘れ草とも。
133小麦色コムギイロ
小麦の種子のように艶ツヤのある色。日焼けした健康な肌色をい
う。▽くすんだ赤味の黄。コムギはイネ科の1〜2年草。
134枯色カレイロ
草や木の枯れたような色。▽くすんだ赤味の色。「枯草色」と
も。また,平安時代の襲カサネの名目に「枯野襲」がある。
135煙草色タバコイロ
タバコの葉のような色。▽暗い赤味の黄。煙草は,ナス科の1
年草タバコの葉を干して発行させて作る。
136コルク色
コルクのような色。▽くすんだ赤味の黄。コルクは普通,コル
クガシ(ブナ科の常緑大高木)の樹皮から作る。
137バフ
牛,鹿などの皮から作った揉み皮のような色。▽くすんだ赤味
の黄。
138香色コウイロ
香染めの色。黄地に赤味を帯びたもの。▽くすんだ黄。香料と
なる丁子の煎汁で染めるところからとも,ニッケイやキャラな
ど香木で染めたものの総称ともいわれる。
139薄香ウスコウ
香色コウイロの薄いもの。▽明るい灰黄。
140赤香アカコウ
赤味の勝った香色コウイロ。▽くすんだ赤味の黄。
141焦香コガレコウ
濃い香色コウイロ。▽くすんだ黄赤。焦げた香色の意。
142琥珀色コハクイロ/アンバー
琥珀のような色。▽くすんだ赤味の黄。琥珀は古代の樹脂類が
地中に埋没して石化したもので,普通黄色を帯び,透明又は半
透明。装飾,電気絶縁材などの材料とする。アンバーは,二酸
化マンガン,珪酸塩などを含む水酸化鉄の塊カタマリで,天然の顔
料。
143木蘭モクラン
赤味を帯びた黄。▽くすんだ赤味の黄。上代,黄橡キツルバミと同
色とされた。
144黄橡キツルバミ
黄味の黒ずんだ色。▽くすんだ赤味の黄。「つるばみ」は団栗
ドングリの呼称。
145飴色アメイロ
水飴ミズアメのような色。▽くすんだ赤味の黄。水飴は,米,芋な
どの澱粉デンプンに麦芽バクガの酵素を加えて作った粘液状の飴。
146亜麻色アマイロ
亜麻糸の色。▽アマは,アマ科の1年草。夏,青紫色又は白色
の五弁の花が咲く。種子から亜麻仁油を絞る。茎から採れる繊
維は,麻布地の原料。
147煤竹色ススタケイロ・ススダケイロ
煤竹(煤けて赤黒くなった竹)のような色。▽暗い灰黄。
148銀煤竹ギンススタケ
煤竹色ススタケイロに銀色を加味した色。▽暗い赤味の黄。
149セピア
烏賊イカの墨から製する絵の具の色。また,黒や紅殻ベニガラなど
の混合物から成る市販の絵の具の色をいう。▽ごく暗い黄。
参考「色の手帖」小学館発行
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