31a 《色いろいろ》
31灰桜ハイザクラ
灰色がかった桜色。▽明るい灰赤。
32ピンク
「ピンク」はナデシコ科ナデシコ属植物の総称で,撫子ナデシコ,
カーネーション,石竹セキチクなどをいい,色は石竹などの花のよ
うな色をいう。▽薄い赤。桃色と混同して用いられることもあ
る。
33ベビーピンク
乳幼児の服の色に相応しい軟らかな色調のピンク。▽薄い赤。
34サーモンピンク
鮭サケの肉の色による名。▽薄い黄味の赤。
35珊瑚サンゴ
珊瑚のような赤い色。▽明るい赤。
36ストロベリー
苺色イチゴイロよりも少し赤味の強い色。▽鮮やかな赤。
37茜色アカネイロ
茜の根から採った染料で染めた色。▽濃い赤。
38臙脂・燕脂エンジ
生臙脂ショウエンジなどの染料や,紫や紅を混ぜた絵の具などによる
色。▽赤。生臙脂は,近世に中国から渡来した鮮紅色の染料。
綿にしませて乾かしたもので,湯に浸してその汁を絞って使用
した。ペルシア・インド地方に産するコックスラッカという小
虫の寄生した樹脂スチックラックより採る。また,中南米でサ
ボテンに寄生するカイガラムシ(エンジムシ)の雌コチニール
から作られる洋色名「カーマイン」に「えんじ」を当てること
がある。
39蘇芳・蘇方・蘇枋スオウ
蘇芳の樹皮,材に含まれる色素ブラジレインを灰汁媒染により
発色,染色した色。▽くすんだ色。
明礬ミョウバンを媒染とすると鮮やかに赤になり,紫味の蘇芳と区
別して「赤蘇芳」と呼ぶ。律令制では,紫に次ぎ緋や紅より高
貴な色とされた。
40浅蘇芳アサスオウ
浅く染めた蘇芳色。▽くすんだ紫味の赤。
41赤アカ・アケ
緋ヒ,紅クレナイ・ベニ,蘇芳スオウ,朱色などの総称。血のような色や,
靴,犬,毛などの赤味を帯びた茶色にもいう。特に,加法混色
における三原色(赤・緑・青紫)・基本色の一つ。▽鮮やかな
赤。
42紅赤ベニアカ
鮮やかな黄味の赤。
43シグナルレッド
標準的な赤を用いている交通信号に停止の赤による名。▽鮮や
かな赤。特に彩度の高さが要求される色。
44緋色ヒイロ
茜アカネで染めた色。普通,洋色名のスカーレットに当たるとされ
ている。▽黄味の赤。
45そひソヒ
茜アカネで染められた黄赤のこと。淡い緋色。▽黄赤。
46猩々緋ショウジョウヒ
猩々オランウータンの血の色で染めたところからとも,能の「猩々」の,
赤毛や装束などからともいわれる色。▽鮮やかな黄味の赤。
47浅緋アサヒ
浅く染めた緋色。▽赤。
48深緋フカヒ
濃い緋色。▽暗い黄味の赤。
49マルーン
暗い赤味を帯びた茶色の大型の西洋栗による名。フランス語の
「マロン」からきた語。▽暗い赤。
50マホガニー
マホガニーの材の色による名。▽暗い赤。
51桧皮色ヒワダイロ
桧皮の色による名。桧皮は,桧ヒノキ,杉スギ,椹サワラなどの樹皮。
▽くすんだ黄味の赤。実際に桧皮を用いて染めたものと考えら
れるが,古く「蘇芳スオウ」の黒味がかった色をいった。
52小豆色アズキイロ
小豆の実の色による名。▽くすんだ黄味の赤。江戸時代からみ
られる色名であるが,当時,何を用いて出した色かはっきりし
ない。
53鳶色トビイロ
鳶・鵄トビの羽の色による名。▽暗い灰赤。実際の鳶の羽よりは
濃い色を指していう。「蘇芳スオウ」ほかを重ねて染めたものらし
い。
54印度赤インドアカ
インド,ベンガル地方産の酸化鉄粘土から製した顔料(ベンガ
ラの一種)の色。▽暗い黄味の赤。
55金赤キンアカ
英語のブロンズレッドに相当する色。▽鮮やかな黄赤。
56朱色シュイロ/バーミリオン
朱色,バーミリオンは,硫化水銀を主成分とする黄色味を帯び
た赤色の顔料。また,それから製する絵の具やその色。▽鮮や
かな黄味の赤。天然には辰砂シンサ(中国辰州産の砂)から製す
る。
57スカーレット
和名の「緋色」「真紅色」「猩々緋」などに当たるとされてい
る色。▽鮮やかな黄味の赤。
58銀朱ギンシュ
水銀を焼いて製する赤色の顔料。多く,朱墨として用いる。▽
赤。
59洗朱アライシュ
黄色味を帯びた,丹色に近い薄い朱。▽くすんだ黄朱。
60潤朱ウルミシュ
黒味を帯びた朱色の漆で塗った色。▽くすんだ黄味の赤。
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