03b 日本画への第一歩
△絵の具の使い方
日本画の絵の具には,岩絵の具,水干絵の具,水絵の具(顔彩,
棒絵の具)などがある。
@顔彩の使い方
ア 顔彩は,粉末の絵の具に接着剤を入れて作られているので,膠
で溶く必要はなく,そのまま使用できる。
イ まず,筆に水を含ませて,筆でこすって溶く(指で溶いてもよ
い)。
ウ 溶いた絵の具を筆でとり,皿に移して適当な濃度にして使う。
エ 混色するときは,明るい色の方から溶いていく。
オ 黄色や緑色などよく使われる色は,丸い大きめの鉄鉢ものを補
給しておきましょう。
A水干絵の具(胡粉を除く)の溶き方
ア 絵の具を皿にとって,少量の膠液を加える。
イ 絵の具の粒を中指の腹でよくつぶしながら,全体に膠がいきわ
たるようにに皿に練りつける。
ウ 練り終えたら,少しずつ水を加えながら溶きおろす。このとき,
人差し指で水をすくって中指にのせると,水が伝って皿に入り,
中指だけをよごすだけで溶き終えられる。
B岩絵の具の溶き方(松葉緑青マツバロクショウ8番の例)
岩絵の具には粗いものがあって,膠の分量に注意しないと,絵の
具のつきがよくないことがある。
ア 岩絵の具を皿にとって,少量の膠液を加える(膠液は水干絵の
具より若干多め)。
イ 人差し指を中指にあて,中指の腹でよくかき混ぜる。
ウ 絵の具の一粒一粒を膠液でくるむようにしてよく練る。
エ 練り終えたら,少しずつ水を加え,軽くゆるやかに混ぜる。
オ 適度な濃度にして使う。
C水絵の具(棒絵の具)の溶き方(藍棒の例)
棒絵の具は,胡粉を混ぜて使うときもある。
皿を火で暖めて少量の水を落とし,棒絵の具を皿の底でこするよ
うにしてすりおろす。小片に欠けたりしたら,指の腹で,必要
により膠液を加えてすりおろす。
△金属材料の使い方
○金泥の溶き方
金泥は箔を粉末にしたもので,埃ホコリを混ぜないように注意しま
しょう。加える膠液は普通の絵の具の半分位とする。
用意するもの:電熱器,薄目の膠液,金泥
@皿に金泥をとり,まず少量の膠液を加える。
A指でよく練り,練った金泥を皿に張り付けるようにする。
B皿を火で暖めて水分を蒸発させる。
C火からおろして,さらに膠液を加える。
Dさらに指でよく練り,練った金泥を皿に張り付けるようにする。
Eこの段階でよく伸びずがさつくときは,指に少量の水をつけてよ
く伸ばします。
Fそして再び少量の膠液を加えて,よく練りながら皿に張り付ける。
G艶が出てきたら,少量の水を加える。
Hその後は丁寧に溶きおろし,使う濃度に応じて水を加えて調整す
る。
I皿の周りについた金泥は,指で丁寧に集めて出来上がり
参考:「日本美術教育センター」
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