03a 日本画への第一歩
 
   △パネル張り
    パネルは錆止めをした釘を用いて作り,新しいパネルのときは,
     ベニヤのしみができないように布巾などできれいに拭いておく。
   用意するもの:パネル,水張り用ガムテープ(紙,色は白,ベージ
    ュなどの淡い色),水刷毛,水
   @紙のタテヨコよりも少し長めにガムテープを切って,タテの分2
     本,ヨコの分2本,計4本準備する。
   A水刷毛で紙の裏面全体に均等に水を引く。
   B紙が伸びてきたらひっくり返し,両手の掌テノヒラを使って,紙の中
     央部から外側へと空気を追い出す。
   C表面は絵を描くので,乾いた布などを用いて丁寧に取り扱いまし
     ょう。
   D次にガムテープの接着面に水をつけ,まず一端を張りつけ,続い
     てテープを引くようにして,刷毛でテープを軽く押さえながら
     張り付けていく。
   E長い方のテープから張りつけていく。
   F紙の下に空気が残らないように注意する。
   G完全に乾いてから使用しましょう。
   
   △念紙ネンシの作り方
    念紙は,下図をつくって本紙に転写するときに使うもので,日本
     画では通常,紙に朱土(又は黄土,岱赭など)を塗って作る。
    本紙(絵を描こうとする紙)に写すときは,下から@本紙,A絵
     の具などを塗った面を下にした念紙,B下図(手本となる絵)
     の順に重ね,鉄筆又は硬い鉛筆などで,下図の線をなぞって写
     す。
    墨による作品のときは木炭を使い,また下絵を損なわせないとき
     はトレーシングペーパーを念紙とする。
   用意するもの:薄美濃紙・画仙紙などの薄手の紙,水干絵の具(朱
     土),乳鉢,乳棒,刷毛,新聞紙,水,清酒少々
   @まず,念紙に塗る液を溶きます。水干朱土を乳鉢に入れて,粒が
     なくなるまで乳棒でよく摺り,少しずつ水を加えて乳棒でかき
     混ぜる。ドロドロになったら清酒を少量入れ,さらにかき混ぜ
     る。
   A仮り張り又は新聞紙の上に薄美濃紙をおき,@で溶いた朱土を刷
     毛にたっぷり含ませ,全体が均一になるように塗る。
   B朱土の延びがないときは,水を加えるが,水を加え過ぎないよう
     に注意しましょう。
   C塗り終わった紙は,新聞紙に載せて自然乾燥させます。
   D完全に乾燥したら,紙の一端から,丁寧に手でしわを作りながら
     丸めます。
   E丸め終えたら,今度は紙が裂けないように注意しながら,広げて
     元に戻します。
   F屋外などで,余分な絵の具をはたいて,よく皺シワを伸ばせば完成
     です。
   用意するもの(木炭の場合):薄手の紙(薄美濃紙,画仙紙,書道
    用半紙など),軟らかい木炭
   @木炭の腹いっぱいをつかって,紙面にすり込むようにする。
   A紙面に均等になるようにすり込む。
   B紙は揉まないで,軽くはたく程度
   用意するもの(トレーシングペーパーの場合):水干絵の具
   @まず,下図からトレーシングペーパーにコピーを取る。
   Aトレーシングペーパーを裏返して,写し取った線上(形)周辺に
     絵の具を蒔く。
   B指で,写しとった線をたどるようにして,絵の具をまんべんなく
     すり込む。
   
   △胡粉ゴフンの作り方
    日本画の絵の具の中で,胡粉の溶き方は最も難しいものの一つと
     いわれているが,丁寧に,時間をかけて行えばうまくできる。
   用意するもの:胡粉,乳鉢,乳棒,皿,膠液
   @必要量の胡粉を乳鉢にとる。
   A時間をかけて,乳棒でよくすりつぶす。
   B指で触ってザラザラやツブツブが全く感じられなくなるまで,す
     りつぶす。これを空摺りカラスリという。空摺りが完全でないと,
     溶いたときに粒ができたり,白がきれいに出ない原因になる。
    なお,何時でも使えるように,大きめの乳鉢で,大量の空摺りを
     作っておくと便利である。
   C空摺りした胡粉を,小さめの乳鉢に必要な量をスプーンなどで移
     す。なお,空摺り専用の乳鉢と,胡粉を溶く乳鉢は別々にしま
     しょう。
   D次に膠液を少し入れる。
   E乳棒でよくかき混ぜて,膠が胡粉にまんべんなく混じりあうよう
    にする。
   F混ざらない粉があったり,パサパサする状態のときは,さらに少
     量の膠液を加えて,乳棒でよくこねる。
   Gスプーンなどを使って,周囲についた胡粉をかき集めて,一つの
     団子状にする。
   Hこの団子の固さは,耳たぶぐらいの軟らかさがよいとされている。
     まだ固いときは,さらに膠液を加える。膠液を入れすぎて,団
     子が泥状にならないよう注意しましょう。
   I膠分が均等に行き届くよう,乳鉢の底に,団子を50回ほどたたき
     つける。この場合,団子の表面が乾かないよう,すばやく作業
     する。
   J大量に溶くときは,ある程度たたきつけた後,両手で揉んで棒状
     にしたり,紐状にしたりする。そして,最後は団子状にする。
   K続いて,団子状の胡粉を乳鉢の底に,指で押さえて固定する。
   Lアク抜きのため,団子が隠れる程度に,50〜60℃のお湯を注ぐ。
   M5分程度経過したら,お湯を捨てる。
   N乳棒で力を入れて,ぶつぶつがなくなるまで団子をつぶす。この
    場合,団子が細かく割れたり,切れないように注意しましょう。
   O中指に少量の水をつけて,乳鉢や乳棒についた胡粉を落としなが
     ら,少しずつ水を加えていく。
   P力を入れてよく溶きこね,とろとろと,粘りが出てきたら出来上
    がり。
   Q乳鉢の周囲や乳棒をきれいにし,必要な量を皿に取り出す。
   R水を加えて適当な濃度にする(これ以降は膠は入れません)。中
     指でよくかき混ぜてから使用しましょう。
   Sラップに包んで冷蔵庫に入れておくと,数日は保存でき,固まっ
     たら火で暖めてから,溶かして使う。
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