38d 文様のいろいろ〈様式〉
○繁文シゲモン
文様を寄せて一面に配置した文様で、離した飛文トビモン、一層遠くに配した遠文トオモンに
対して云います。
○遠文トオモン
文様を間隔を遠く空けて一面に配置した文様です(前項参照)。
○飛文トビモン
文様が連続しないで飛び飛びに散在している文様で、連続文様に対して云います。「
飛模様」とも。
○並べ紋ナラベモン
並べた文様で、特に自分の紋所と情人の紋所とを並べたり、組み合わせたりした紋形
を「並べ紋」と呼び、「比翼の鳥」に準ナゾラえて「比翼紋」とも云います。また「二つ
紋」とも。
○散らしチラシ
飛び飛びに散らした文様で、同類文を散らすものと、異類文を散らすものとがありま
す。「散らし文」「散らし形」とも云い、古くは「乱文ランモン」とも云いました。
○目結メユイ/纐纈コウケチ・コウケツ
布帛や革を糸で括ククって染めてから、糸を解いて括り目を文様としたもので、古くは
「纐纈」と云い、「交纈」とも書きました。
中世「目結」「目染」などから「鹿の子」と呼ぶようになり、今日「鹿の子染」が代
表的です。
○朧染オボロゾメ
着物の裾を薄く、上を濃くぼかして染めたもので、寛文(1661〜73)頃の創始と云い
ます。
○御所染ゴショゾメ
絹布に上品な散らし模様を染め出したもので、寛永(1624〜44)の頃、女院の御所の
好みで始められたと云います。
○菅原染スガワラゾメ
江戸時代の染色法の一と考えられますが不詳とされます。
文様にもこの名のものがあり、菱形に松竹梅を染めたもので、江戸時代の宝暦六年(
1756)「菅原伝授手習鑑」で初世中村仲蔵がその衣裳に染めて着用したと云います。
○千草染チグサゾメ
千草色、即ち萌黄色に染めたものです。
○更紗模様サラサモヨウ
サラサ(ポルトガル語 saraca)に種々の色で染められていた異国情緒のある、人物、
鳥獣、草花などの文様や幾何学的な文様の総称です。
関連リンク [名物裂]
○伊達模様ダテモヨウ
江戸初期から元禄(1688〜1704)頃にかけて流行した華美な衣服の文様の総称で、縫
箔ヌイハク、友禅染めなどを応用して作られました。
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