36c 文様のいろいろブック〈器物建造物など〉
△霞カスミ
霞の棚引いている様子を表した文様です。「霞形カスミガタ」、「霞流しカスミナガシ」とも云
います。
絵巻物など大和絵で、時間的経過、場面の転換、空間の奥行などを示すために描かれ
る雲形を「霞」とも云います。
△雪ユキ
雪を描いた文様です。雪片の六角形を丸く型取って図案化したものがあり、特に「雪
輪ユキワ」と云います。
雪の結晶は六方晶系で、星状・角板状・角柱状・針状など種々の形があります。雪の文様
には、この結晶を文様とするもののほか、笹・松・柳・椿などに雪の積もった様を表すもの
があり、それぞれ「雪持ち笹」「雪持ち松」などと云います。また雪輪の細長い弧と、
芝や薄ススキとを取り合わせたものもあります。
○山ヤマ
山には風景文様に取り入れられるほかに、抽象化された文様に「山形」「遠山摺り
トオヤマズリ」などがあります。
○山形ヤマガタ
一つの山形、二つ並べる入り山形などがあります。
○遠山トオヤマ
遠くに連なる山々を一面に配し文様化したもので、藍摺アイズりの「遠山摺トオヤマズリ」が
知られています。
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