36a 文様のいろいろブック〈器物建造物など〉
 
△豆蔵マメゾウ
 釣り合い人形を図案化した文様で、今日では「弥次郎兵衛ヤジロベエ」と云います。
 「豆蔵」は、江戸時代の元禄(1688〜1704)の頃、大坂にいた力持ちの名前に由来し、
手品や曲芸をし、滑稽な身振や口上で人を笑わせて銭を乞うた大道芸人のことです。そ
の姿に似ていましたので、釣り合い人形のことを「豆蔵」と呼ぶようになりました。
 
△筏イカダ
 筏を型取った文様です。花をあしらったものを「花筏ハナイカダ」と云い、特に桜花が筏
と共に流れる図柄が多い。
 
△干網・乾網ホシアミ
 海の漁猟用の網を図案化した文様のことです。多く干網に波、鳥、花、霞などを配し
ます。「網干アボシ」とも云います。
 
△金剛杵コンゴウショ
 密教で用いる、手杵テギネに似た仏具です。両端が分かれていないものを独鈷ドッコ、三
つに分かれたものを三鈷,五つに分かれたものを五鈷と呼びます。文様としては博多帯
で有名な「独鈷トッコ・ドッコ」又は「一本独鈷イッポンドッコ」や、三鈷を十字に組み合わせた「
羯麿カツマ文」などがあります。
 
△宝珠ホウシュ・ホウジュ
 仏教で宝の玉とされる宝珠を型取った文様のことです。
 「宝珠」は、観音菩薩などが持します。丸い玉の上方が尖った形で、火焔を燃え上が
らせているものもあります。
 
△宝タカラ
 宝物を図案化した文様のことです。幸運を招く縁起の良いものとして用いられます。
 宝物は、如意宝珠、宝鑰ホウヤク、打出の小槌、金嚢キンノウ、巾着キンチャク、隠れ蓑カクレミノ、隠
れ笠などです。他に犀角サイカク、丁字チョウジ、分銅フンドウ、錠ジョウ、法螺ホラ、巻物などをも
数えます。
 
@宝尽くしタカラヅクシ
 いろいろの宝物の形を描いた文様のことです。
A宝船タカラブネ
 宝船を描いた文様です。
 「宝船」は宝物を積んだ船、宝尽くしや七福神を乗せた帆掛け船、また、それを描い
 た絵です。この絵に「ながきよのとをのねぶりのみなめざめなみのりぶねのおとのよ
 きかな」と云う廻文歌(上から読んでも下から読んでも同じ歌)を書き添え、正月二
 日の夜、枕の下に敷いて寝ると吉夢をみるといいます。もし、悪い夢をみたときは翌
 朝この絵を川へ流すと云います。
 
△枕マクラ
 枕を型取った文様で、花の文様に配して用いられことが多い。
 
△屋形ヤカタ
 家の形を図案化した文様で、近世には、家並みを取り込んだ風景文様が多くみられま
す。
 
△船フネ
 船の形を図案化したものです。帆掛け船が多く、風景文様などでは、波間に見える帆
 のみを描きます。
 
△橋ハシ
 橋を描いた文様です。風景文様の中に採り入れられる橋としては、宇治橋や瀬田の唐
 橋カラハシが知られていますが、ほかに様式化された「八橋ヤツハシ」があります。
 
○眼象ゲンショウ/格狭間コウザマ
 壇の羽目などに彫り込んだ装飾,壇の足を補強するために隅に付ける材が装飾的な曲
 線文様に発達したものです。「格狭間」とも云います。
 
○青瑣セイサ
 格狭間コウザマの中の縦筋に、緑青ロクショウを塗ったものです。塀や壁、また倚子イシの背、
 経机の両側などに見られます。縦筋以外の文様を入れたり、緑青以外の色を用いるも
 のもあります。
 元来は、中国で宮門の扉に施した鎖文を青く塗ったものの称です。
 
○蛇篭ジャカゴ
 竹や鉄線で長円形に粗く編んだ篭の中に、栗石や砕石を詰め、護岸や水流の制御に用
 いる物、大蛇の伏したような形で、風景文の中に描かれることが多い。
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