04 やきものはあなたの手で〈形をつくる〉
 
        やきものはあなたの手で〈形をつくる〉
 
   〈粘土を練る〉
 
    粘土は乾燥させたり,焼成したりしますと15%程度収縮しますの
   で,作品はやや大きめにつくります。
    やきものをつくる工程の中で,土を練るということは大切なこと
   の一つです。よく練るということは土が均質になって使いやすくこ
   とと,土の中に入っている空気を抜くためです。土の中に空気が入
   っていますと,焼成中にはぜてしまうからです。
    初めは粗アラ練りをします。初心者では3s程度の粘土の塊を作業
   台に載せ,両手に均一の力を入れて押しながら練り込んでいきます。
   何回かするうちに粘土の塊が牛の顔のようになってきます。そした
   ら両方の角耳を内側の折り畳んでまた練り込みます。この粗練りを
   数回行って下さい。
    次は捻揉みネジモミをします。これは練った形が菊の花弁のように一
   弁ヒトヒラずつ練られていきますので,菊キク練りともいいます。1塊に
   つき100回(必要により200回位まで)以上練ります。練れたかどう
   かは,針金で切ってみますと,中に穴があれば空気が残っているこ
   とななります。              [以下右利きの例]
    @円錐状に丸めた粘土をやや右へ倒しぎみに立て,左手を上に右
     手を横の当てる
    A両手で押し出し,右手は内側に押すようにする
    B粘土を左の方から右の方へ回しながら起こす
    C続いて@〜Bを繰り返す
    D@〜Cを100回以上練り込む
    Eよく練られたら,右手の土の送りをだんだん細くしていく
    F円錐形に整えて出来上がり
   
   〈手づくりの道具〉
   
    道具の類は数多くあれば便利ですが,最初は次のもので十分でし
   ょう。
    @手ロクロ(卓上ロクロ):手づくりのときや,絵付けなどのと
     きに使います。
     円盤の直径は,25p前後のものでよいでしょう。
    A切り糸:つくり上げたものを切り離すのに用います。木綿糸の
     丈夫なもの,釣り糸又は細い針金など,長さ30〜50pのもので
     両端に瘤(五円玉など)をつけます。
    B弓:半円の分度器のような形をした弓で,竹を曲げ糸には細い
     針金を張り,作品の口辺を切り取るときなどに使います。
    Cなめし皮(撫皮ナデガワ):口辺を滑らかに仕上げるためのもの
     で,鹿皮が最適です。幅3p,長さ10pのものを水に濡らして
     柔らかくして使います。側面の仕上げはスポンジなどを用いま
     す。
    D粘土板(亀板):厚さ12o,25p程度の角板の四隅を切り取っ
     て,八角形のようにしたスギ板で,亀の形に似ているので亀板
     カメイタともいいます。裏側に2本の桟をつけるものもあります。
     作りたての作品を載せて,乾かすときなどに使います。
    Eこのほか柘植箆ツゲベラ(ツケベラ),金箆カナベラ(又は料理用ス
     プーン代用),掻き箆などを容易して下さい。
    Fまた,
    a 粘土の量を測る秤(1〜2s)
    b 接着面を糊付けする糊「どべ(粘土をどろどろにしたもの)」
     を塗る小筆
    c 半乾きの作品を削る鉋カンナ(細いブリキ板の先を曲げて刃を付け
     たもの)や彫刻刀,柘植櫛ツゲグシなど
    d 一定の厚さに切るときなどに使うたたら板(長さ30〜45p,幅
     3〜4.5p,厚さは一分・二分・三分など)
    e たたら作りのとき,切断面がつかないようする片栗粉(布に包
     んでたんぽ状にする)
    f 空ビン,ビニールパイプなど成形の型として使える品々
     などがあれば便利です。
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