52 玉石・土を詠める和歌
参考:吉川弘文館発行「古事類苑」
△瑠璃
山高み我立杣に立置し るりのとぼそはくもるともなし
(和漢三才図会 六十玉石 家隆)
△細石ササライシ・ササレイシ
さゞれいしにこまをはさせてこゝろいたみ あがもふいもがいへのあたりかも
(萬葉集 十四東歌)
我君は千世にやちよにさゞれ石の いはほと成て苔のむすまで
(古今和歌集 七賀 よみ人しらず)
かはべなるいしの思ひのきえねばや 岩の中より水のわくらん(空穂物語 祭の使)
△巌イハホ
久堅の 天川原アマノガワラに 出で立ちて 潔身ミソギてましを 高山の 石穂イハホの上に
いませつるかも
反歌
逆言サカゴトの枉事マガゴトとかも高山の 石穂の上に君がふしたる(萬葉集 三挽歌)
いはほろのそひのわかまつかぎりとや きみがきまさぬうらもとなくも
(萬葉集 十四東歌)
△硫黄イワウ
昼なれやよはの月ともいかゞゆわう はゝきの塵も曇なき哉(中略)
我恋とゆわうはゝきのいつとなく 離れぬ中とおもはましかば
(以上、七十一番歌合 上)
△土
たちとまりゆきみの里に妹を置きて 心空ソラなり土は踏めども
(萬葉集 十一古今相聞往来歌)
まつがえのつちにつくまでふるゆきを みずてやいもがこもりをるらむ
(萬葉集 二十)
△土塊ツチクレ
かはらやの板ふきにても見ゆるかな(金葉和歌集 十連歌 よみ人しらず)
つちくれしてやつくりそめけん(同 助成)
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