10  百人一首
  
             百人一首         06.04.16
 
 [後撰集]天智テンヂ天皇
1秋の田のかりほの庵イホの苫トマをあらみわが衣手コロモデは露にぬれつつ
 
[新古今集]持統天皇
2春すぎて夏来キにけらし白妙シロタヘの衣ほすてふ天アマの香具山カグヤマ
 
[拾遺集]柿本人麻呂カキノモトノヒトマロ
3あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む
 
[新古今集]山部赤人ヤマベノアカヒト
4田子の浦にうち出イでて見るば白妙シロタヘの富士の高嶺タカネに雪は降りつつ
 
[寛平御時后宮歌合の歌]猿丸大夫サルマルダユウ
5奥山に紅葉モミヂふみわけ鳴く鹿の声きく時ぞ秋は悲しき
 
[新古今集]中納言家持ヤカモチ
6かささぎの渡せる橋におく霜シモの白きを見れば夜ぞ更フけにける
 
[古今集]安部仲麿アベノナカマロ
7天の原ふりさけ見れば春日カスガなる三笠の山に出でし月かも
[古今集]喜撰キセン法師
8わが庵イホは都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり
 
[古今集]小野小町
9花の色はうつりにけりないたづらにわが身よにふるながめせしまに
 
[後撰集]蝉丸セミマル
10これやこれ行くも帰るも別れてはしるもしらぬもあふ坂の関
 
[古今集]参議篁サンギタカムラ
11わたの原八十島ヤソジマかけてこぎ出でぬと人には告げよ蜑アマのつり舟フネ
 
[古今集]僧正遍昭ヘンジョウ
12あまつ風雲の通カヨひぢ吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ
 
[後撰集]陽成院ヨウゼイイン
13くばねの峰よりおつるみなの川恋ぞつもりて淵フチとなりぬる
 
[古今集]河原の左大臣(源融)
14みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに
 
[古今集]光孝天皇
15君がため春の野に出でてわか菜ナつむわが衣手コロモデに雪は降りつつ
 
[古今集]中納言行平ユキヒラ
16立ちわかれいなばの山の峰におふるまつとしきかば今帰りこむ
 
[古今集]在原業平朝臣
17ちはやぶる神代カミヨもきかず龍田川タツタガハからくれなゐに水くくるとは
 
[古今集]藤原敏行朝臣
18すみの江の岸による浪よるさへや夢の通ひ路ヂ人めよくらむ
 
[新古今集]伊勢
19難波潟ナニハガタみじかき蘆アシのふしの間もあはで此の世を過ぐしてよとや
 
[後撰集]元良モトヨシ親王
20わびぬれば今はた同じ難波ナニワなるみをつくしても逢はむとぞ思ふ
 
[古今集]素性ソセイ法師
21今こむといひしばかりに長月ナガツキの有明の月をまち出でつるかな
 
[古今集]文屋康秀フンヤノヤスヒデ
22吹くからに秋の草木クサキのしをるればむべ山ヤマカゼ風をあらしといふらむ
 
[古今集]大江千里オオエノチサト
23月みればちぢに物こそ悲しけれわが身一つの秋にはあらねど
 
[古今集]菅家(菅原道真)
24このたびはぬさもとりあへず手向山タムケヤマもみぢの錦神のまにまに
 
[後撰集]三条の右大臣(藤原定方)
25名にしおはばあふ坂山のさねかづら人にしられでくるよしもがな
 
[拾遺集]貞信公(藤原忠平)
26をぐらやま峰のもみぢ葉心あらばいまひとたびのみゆき待たなむ
 
[新古今集]中納言兼輔
27みかの原わきて流るるいづみ川いつみきとてか恋しかるらむ
 
[古今集]源宗于朝臣ミナモトノムネユキアソン
28山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草もかれぬと思へば
 
[古今集]凡河内躬恒オオシコウチノミツネ
29心あてに折らばや折らむ初霜ハツシモのおきまどはせる白菊の花
 
[古今集]壬生忠岑ミブノタダミネ
30有明のつれなく見えし別れよりあかつきばかりうきものはなし
 
[古今集]坂上是則サカノウエノコレノリ
31朝ぼらけ有明の月とみるまでに吉野の里にふれる白雪
 
[古今集]春道列樹ハルミチノツラキ
32山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉モミヂなりけり
 
[古今集]紀友則キノトモノリ
33久かたの光のどけき春の日にしづ心なく花のちるらむ
 
[古今集]藤原興風オキカゼ
34たれをかもしる人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに
 
[古今集]紀貫之キノツラユキ
35人はいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける
[次へ進んで下さい]