猫が顔を洗うと雨。When a cat washes a face, it rains. 解釈:昔からよく言われていることだが、根拠はない。猫が顔を擦(こす) るのは、触毛の汚れを除くためである。 猫が肥えれば、鰹節が減る。If a cat gets fat, dried bonito decreases. 解釈:一方によければ、もう一方はよくないことのたとえ。 活用⇒一方がよいと、他方はよくない。If one is good, the other is not good. 猫と庄屋に取らぬはない。A cat and the village headman take anything. 解釈:鼠や魚を捕らぬ猫がいないように、袖の下を取って、私腹を肥やさぬ 庄屋はいないということで、江戸時代の官吏の乱れを皮肉った言葉。 猫に鰹節。He puts the dried bonito near the cat. 解釈:過ちを誘いやすいことや、油断のならないこと。 類義:狐に小豆飯(あずきめし)。盗人に倉の番。猫に魚の番。 参考:He sets the wolf to guard the sheep.(羊の番に狼) 猫に小判。He gives the cat the koban. 解釈:どんなに貴重な物でも、値打ちのわからない者には、何の役にも立た ない。 類義:犬に論語。馬の耳に念仏。馬の目に銭。猫和胡桃預ける。豚に真珠。 猫に念仏、馬に銭。Tell a cat a prayer to Buddha and give a horse money. 類義:犬に論語。 猫に木天蓼(またたび)。He gives a cat a silvervine. 解釈:大好物、または効果てきめんであることのたとえ。 猫にもなれば、虎にもなる。He becomes the cat and he becomes the tiger. 解釈:相手次第で大人しくもなれば、荒々しくもなるという意。 活用⇒相手を見て、臨機応変に対応する。He copes with adaptation to circumstances to see the other party. 猫の居るのは屋根の上、烏の居るのは木の上。There is the cat on a roof. There is the crow on a tree. 解釈:それぞれ物には適した場所がある。 活用⇒物には、それぞれ適した居場所がある。Quality has a suitable place to stay each. 猫の魚辞退(うおじたい)。A cat hesitated to eat a fish. 解釈:心の中では欲しくて堪らないのに、本心を隠して遠慮すること。また、 長続きがしないこと。 類義:猫の魚を食わぬ振り。猫の精進。 活用⇒本心を隠して、遠慮すること。He conceals one's true motive, and declines. 猫の首に鈴。It is a bell to the neck of the cat. It is a bell in cat's neck. 解釈:成功する可能性の無い企てに、最初に着手すること。鼠たちが猫から 身を守る方法を相談した。猫の首に鈴を付けて鈴が鳴ったら逃げようというこ とになったが、鈴を付けに行く役目を引き受ける鼠は、一匹もいなかったとい う話から。 猫の尻尾(しっぽ)。The tail of the cat. 解釈:あっても無くてもよい物のたとえ。 活用⇒有っても無くてもよい。It might be needed, and it might be not necessary. 猫の手も借りたい。I wish me were two people. 解釈:多忙で手不足なときに、誰でもいいから手伝ってくれる人が欲しいと いうことのたとえ。 類義:犬の手も、人の手にしたい。 猫の額に在る物を鼠が狙う。A mouse aims at the thing which the forehead of the cat has. 解釈:自分の身分や力を顧みず、大それた野心を抱くことのたとえ。 類義:猫の鼻先の物を鼠が狙う。 活用⇒大それた野心を抱く。He has audacious ambition. 猫の前の鼠。A mouse before the cat. 解釈:逃げることも手向かうこともできないことのたとえ。 類義:雉子(きじ)と鷹。猫に会った鼠。鷲に兎。 猫の目のよう。It seems to be the eyes of the cat. 解釈:常に変化しやすいことの形容。 猫の留守は、鼠の代。When there is not a cat, a mouse rules there. 解釈:力の強い者がいないときに、弱い者は思いのままに振る舞うことがで きるということ。 類義:鬼の居ぬ間に洗濯。 猫は三年飼っても、三日で恩を忘れる。Even if the cat is kept for three years, in only three days, the cat forgets the favor. 解釈:猫は犬と違って、飼い主の恩を直ぐに忘れてしまう動物だという意。 猫は虎の心を知らず。The cat doesn't know tiger's mind inside. 解釈:詰まらない人間には、大人物の心の中(うち)は分からない。 活用⇒凡人は、大人物の心の中をしらない。The ordinary man doesn't know the inside of the mind of a great person. 類義:燕雀(えんじゃく)、安(いずく)んぞ大鵬(たいほう)の志を知ら んや。 猫は禿げても猫。Even if a forehead gets bald, it is a cat. 解釈:どんな事にも、突拍子もない変化はあり得ないということ。 猫糞(ねこばば)を決め込む。A cat seems to have excreted it. 解釈:猫が排泄した後、脚で土を掛けて跡を隠すように、悪事を隠して知ら ぬ顔をすること。 類義:にゃんが糞(ばば)踏んだ顔。 猫も杓子(しゃくし)も。The cat and the wooden spoon are all the same. All everybody is same as, too. 解釈:どんなものも。誰も彼も。全ていっしょくたに。 猫を追うより、皿を引け。You dispose of a plate than you send away a cat. 解釈:枝葉に捉われずに、根本を正すことが大切であるという意。 活用⇒部分よりも、中心を固めなさい。You strengthen the center than the part. 類義:猫を追うより、魚を除けよ。 猫を被る。He affects the hypocrisy person. 解釈:本性を包み隠して、大人しそうに装う。また、知って知らぬ振りをす ること。「猫かぶり」ともいう。 鼠が塩を舐める。A mouse licks the salt. 解釈:少しずつだと目立たないが、何時の間にか大量になることのたとえ。 活用⇒少しずつでも、何時か大量になる。If time passes little by little, it becomes huge. 鼠壁を忘る、壁鼠を忘れず。The mouse forgets a wall. The wall does not forget a mouse. 解釈:人を困らせたり害を加えたりした方は忘れても、苦しめられた方では 何時までも覚えていることのたとえ。 活用⇒加害者は忘れ、被害者は忘れない。The assailant forgets it, and the victim does not forget it. 鼠捕らずが駆け歩く。The cat that is not catch of the rat always runs. 解釈:鼠を捕らない猫は、走り歩くだけで役に立たないように、無能な者は、 騒ぎばかり大きいこと。 活用⇒無能者は、騒いでばかりいる。The incompetent always makes noise. 鼠捕る猫は、爪隠す。The cat catching a mouse covers the nail. 類義:能ある鷹は、爪隠す。 鼠も虎の如し。The rat occasionally becomes a tiger. 解釈:鼠も命がけで飛び出す勢いは、虎のように激しいという意。 類義:脱兎(だっと)の如し。鼠にもなれば、虎にもなる。 寝た牛に芥(あくた)掛くる。He hangs a dust to the sleeping cow. 解釈:何も知らない者に罪を着せること。 活用⇒冤罪はよくない。The false accusation is not good. 類義:臥せる牛に芥掛くる。 年劫(ねんごう)の兎。A rabbit of the age kalpa. A cunning rabbit. 解釈:「劫」は仏教用語で極めて長い時間の単位を表し、劫を生き抜いて悪 賢くなった兎のように、一筋縄でいかない者のたとえ。 |