大魚は小池(しょうち)に棲まず。
解釈:大きな魚は、小さな池にはいない。人間でも、大人物は詰まらない仕
事であくせく働くことをしないということ。
類義:大魚は小水に棲むことなし。鶴は枯木に巣をくわず。流れ川に大魚な
し。
反義:天水桶(てんすいおけ)に竜。掃溜に鶴。
大根食うたら、菜っ葉は干せ。
解釈:大根は白い根を食べたら、葉は干してとっておき、おかずに利用する
とよい。どんな物でも仕舞っておいて、後で役立てよという教え。
大根種と人種(ひとだね)は盗まれぬ。
解釈:遺伝や血筋は争えず、父親の分からない子を身ごもっても、生まれて
見れば誰の子か直ぐ分かってしまうものだという意。姦通(かんつう)を戒め
た諺(ことわざ)。
活用⇒大根の種と人妻は、盗んではいけない。Neither seed of the
radish nor the married woman must steal.
類義:食い物の種は盗めても、人種は盗めぬ。子供と芋種は隠されず。物種
は盗まれず。
大根を正宗(まさむね)で切る。
解釈:大袈裟な事はするなという戒め。また、才能のある人間に詰まらない
仕事をさせることのたとえ。
活用⇒客船が笹舟を引く。The passenger boat pulls the bamboo leaf
boat.
類義:大器小用。鶏を割くに牛刀を用う。
大山鳴動(たいざんめいどう)、鼠一匹。
解釈:大噴火が起こるくらい山が鳴り動いたのに、鼠一匹しか出てこない。
前触れが盛大で大騒ぎした割に、これというほどの事件が起こらないたとえ。
大樹の下に美草(びそう)無し。
解釈:茂った大木の下は日陰になるので、よい草が生育しない。人材の育つ
条件に欠ける所には、有能な人間は集まらないものであるという意。
活用⇒大木の下に草花が育たない、しかし、小さい木が育つこともある。
The flowering plant might not grow up under the gigantic tree.
However, a small tree might grow up.
類義:高山の嶺(いただき)には美木なし。
反義:大木の下に小木育つ。
鯛なくば狗母魚(えそ)。
解釈:目当ての物がなければ代用品でいくしかないということ。「エソ」は
上質の蒲鉾の原料となる魚だが、鯛よりは劣る。最高級品とされた鯛蒲鉾の原
料も、実際はエソであったことを物語る諺(ことわざ)。
鯛の尾より鰯の頭(かしら)。
解釈:大きな団体の一員となって人の後に付いて従うよりは、小さい団体で
もその長となる方がよいということ。
類義:鶏口(けいこう)となるも、牛後(ぎゅうご)となる勿れ。
大の虫を生かして、小の虫を殺す。
解釈:やむを得ないときには、大事な物を生かすために、小さな物を犠牲に
するがよい。事の大小を誤ってはいけないというたとえ。
活用⇒大事を選べば、小事は無くなる。The trifle disappears if
importance is chosen.
類義:小の虫を殺して大の虫を助ける。大を生かして小を殺せ。
鯛も一人は旨からず。
解釈:どんなに美味しいご馳走でも、一人きりで食べては美味しくない。大
勢で楽しく食べると、美味しい物が尚一層美味しく感じられるということ。
活用⇒料理は大勢で食べると美味しい。The dish becomes delicious if
eating with a lot of people.
鯛も平目魚(ひらめ)も食うた者が知る。
解釈:食べた経験がなければ、鯛と平目の区別はよく分からない。経験のな
い者には、物事の僅かな相違は分からないということ。
鷹のない国では、雀が鷹をする。
解釈:強い者がいない世界では、大したことのない者が大将になって威張っ
ているというたとえ。
類義:鳥なき里の蝙蝠(こうもり)。鳥のない国では百舌(もず)が鷹する。
鷹の前の雀。
解釈:逃げることもできず、手も足も出ない絶望的な状態のたとえ。
類義:鬼の前の餓鬼(がき)。鷹に会うた雀。猫の前の鼠。蛇に見込まれた
蛙のよう。
鷹は飢えても穂をつまず。
解釈:鷹はどんなに飢えても、稲穂を食べたりはしない。節義を守り品性の
高い人は、窮しても不正不義の財物には手を触れないということのたとえ。
類義:渇しても盗泉の水を飲まず。虎は植えても死にたる肉を食わず。武士
は食わねど高楊枝。
鷹を養う如し。
解釈:素直でない人間を使いこなすのは難しいことのたとえ。その欲望を満
足させなければ従わないし、満足させれば勝手気ままに振る舞う。鷹を飼うの
と同じようにその兼ね合いが難しい。
類義:下種(げす)と鷹には餌(え)を飼え。憎い鷹には餌を飼え。憎い者
には餌を与えよ。
たくらだ猫の隣歩き。
解釈:のらくら猫が飼い主の家の鼠を捕らず、隣近所を遊び歩くことから、
自分の家のことは怠けていて、他所の家で手伝いを買って出たりして格好を付
けたがる人を謗(そし)っていう。
類義:無精者の隣働き。
参考:「たくらだ」は麝香(じゃこう)に似た獣で、人が麝香を捕らえよう
とすると勝手に飛び出してきて殺されるといわれる。関係のない事柄に首を突
っ込んで害を受けるなど、間抜け、戯(たわ)け者の類の代名詞。
竹に雀。
解釈:絵柄として取り合わせのよい物のたとえ。一対として好ましいたとえ。
類義:梅に鶯。牡丹に蝶。柳に燕。
蛸(たこ)に骨なし、海月(くらげ)に目なし。
解釈:ごくごく当たり前。分かり切った事のたとえ。
類義:豆腐に目なし。
蛸は身を食う。
解釈:蛸は自分の足を食うといわれるところから、自分の資本や財産を取り
崩すたとえ。会社が赤字を隠して見せかけの配当を行うのを「蛸配当」という。
多勢を頼む、群鴉(むらがらす)。
解釈:人数を頼んで詰まらない連中がのさばること。
類義:烏合(うごう)の衆。
蛇足(だそく)。
解釈:余計な付け足しのこと。昔、中国楚(そ)の国で、酒を賭けて数人が
蛇の絵を早く画く競争をした。最初に画き上げた一人が得意になって、不必要
な足を付け足して画き、酒を飲み損なったという故事から。
活用⇒蛇足。Superfluity.
闘う雀、人を恐れず。
解釈:弱くて気の小さい雀でも、喧嘩に夢中のときは、人が近付いても身の
危険を忘れて、逃げないもの。
活用⇒夢中になると、自分を忘れる。He forgets himself when becoming
crazy.
類義:噛み合う犬は、呼び難し。戦う者はその身を忘るるものなり。
狸が人間に化かされる。
解釈:騙そうとした人が、逆に騙されること。
類義:誑(たら)しが誑しに誑される。盗人が盗人に盗まれる。化かしが化
かしに化かされる。物して物される。
狸寝入り。
解釈:狸は、ひどく驚くと直ぐ仮死状態に陥るが、この習性を「寝る」とみ
て、人が眠った振りをすることを指す。
類義:狸寝。狸の空(さら)寝入り。鼠の空死に。
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