鯉が躍れば、泥鰌も躍る。 解釈:身のほどをわきまえず、いたずらに他人の真似をすることの愚かさを いう。 類義:雁が発てば、鳩も発つ。雁が飛べば、石亀も地団駄(じだんだ)。 鯉の滝登り。 解釈:立身出世のたとえ。中国黄河(こうが)上流の竜門(りゅうもん)の 急流を登った鯉が竜になるという伝説による。立身出世の関門を「登竜門(と うりゅうもん)」という。 鯉の一跳ね。 解釈:鯉は捕らえられると、一度だけ跳ねるが、後は諦めてか、じっとして いることから、死に際の潔(いさぎよ)さをいう。 類義:鯉の水離れ。 黄口(こうこう)。 解釈:鳥の雛の嘴(くちばし)が黄色いことから、幼年のこと。また、未熟 者の意。 類義:口なお乳臭あり。嘴黄なり。 高山の嶺(いただき)には、美木(びぼく)無し。 解釈:地位の高い人は、常に人から妬まれたり、自分も上手く立ち回ったり するので、名を汚すことが多い、という意。高山の頂上に生えている木は、厳 しい自然に絶えず晒されていて、よい木になれない。 類義:大樹の下に美草無し。 嚆矢(こうし)。 解釈:鏑矢(かぶらや)。物事の最初のこと。昔、中国では開戦の徴(しる し)として、鏑矢を敵陣に向けて射掛けたことから。 氷と炭。 類義:氷炭(ひょうたん)相容れず。 狐疑(こぎ)。 解釈:狐は疑い深い獣だと言われるところから、疑い迷って決心のつかない こと。 虎口(ここう)。 解釈:猛獣の虎の意から、非常に危険な場所や場合のこと。 用例:虎口を脱す。虎口を逃れる。 虎口を脱す。 解釈:危険な場所や状況から逃れること。 類義:虎口を逃れる。 虎口を逃れて、竜穴(りゅうけつ)に入る。 解釈:虎の棲んでいる穴から逃げたはよいが、竜の棲む穴に入り込んでしま ったという意で、次々に災難に出会うたとえ。 類義:一難去って、また一難。前門の虎、後門の狼。 虎視眈々(こしたんたん。虎視眈眈)。 解釈:虎が獲物に狙いをつけて、見張っていること。転じて、機会を外すま いと狙っている様。 胡椒(こしょう)丸呑み。 解釈:胡椒の味は丸呑みにしては分からないように、物事を鵜呑みにしては、 真義は理解できないというたとえ。 午前南風午後北風なら明日は晴。 解釈:午前に南風が吹き、午後は北風になれば、低気圧が去ったことを示し、 翌日は晴れることが多い。 類義:北風が南に変わると雨、南風が北に変わると晴。 子で子にならぬ杜鵑(ほととぎす)。 解釈:杜鵑が鶯の巣に卵を産んで、鶯に孵化、養育して貰うことをいう。鶯 に育てられた杜鵑の子は、一人前になると知らぬ顔で飛び去ってしまう。 類義:鶯の巣の杜鵑。杜鵑は鶯の養い子。 五風十雨(ごふうじゅうう)。 解釈:気候が順調で、世の中が泰平であること。五日に一度風が吹き、十日 に一度雨が降れば、農作物はよく育つものである。 類義:十日の雨土くれを動かさず、五日の風枝を鳴らさず。吹く風枝を鳴ら さず。 昆布(こぶ)に山椒(さんしょう)。 解釈:取り合わせのよい物のたとえ。昔は、お茶を飲むとき昆布と山椒が必 ず出された。 駒の朝走り。 解釈:馬は、朝出発したときは威勢がよいが、やがて疲れて元気をなくすと いう意。最初は非常に元気がよいが、それが終わりまで続かないことのたとえ。 類義:朝跳(あさはね)の夕びっこ。小馬の朝駆け。 独楽(こま)の舞い倒れ。 解釈:自分一人だけ張り切って働いた挙句、結局大してできないうちに疲れ て力が尽きてしまうことのたとえ。 ゴマメでも尾頭(おかしら)付き。 解釈:小さくても立派に形が整っていることのたとえ。 類義:一合取っても武士は武士。一輪咲いても花は花。 ゴマメの歯軋り(はぎしり)。 解釈:無力な者が憤慨すること。 類義:蟷螂(とうろう。カマキリ)の斧。 転がる石には苔が生えぬ。 解釈:よく働く人は生き生きしているというたとえ。また、絶えず仕事を変 える人は何事も身に付かず成功しないということ。 類義:度々植え替える木は、根が張らない。使っている鍬は光る。転石(て んせき)苔生(む)さず。流れる水は腐らず。人通りに草生えず。 参考:A rolling stone gathers no moss.の訳語。 子を思う夜の鶴。 解釈:わが子を思う親の情の深さをいうたとえ。鶴は古来、子への愛情が深 いことで知られることからいう。 類義:焼野(やけの)の雉子(きぎす)、夜の鶴。 蒟蒻(こんにゃく)を馬に付けたよう。 解釈:ぐらぐらして安定しない様。 類義:蒟蒻の幽霊。 1234567890123456789012345678901234▼ |