木から落ちた猿。 解釈:頼りにしている物を失って、どうすることもできないことのたとえ。 類義:魚の陸に上れるが如く、鳥の巣を離れたるが如し。陸(おか)に上っ た河童。猿が木から落ちたよう。水を離れた魚。 雉子(きじ)の隠れ。 解釈:全体を隠すつもりでも、首だけ隠して尾を出したままの雉子を見て、 嘲笑して言った言葉。 類義:頭かくして尻隠さず。雉子の浅知恵。 狐尾を濡らす。 解釈:初めは易しいが、終わりが困難なことのたとえ。川を渡る狐は、初め のうちこそ勇んで尾を巻いているが、そのうち疲れて尾を垂れ、濡らしてしま うことから。 狐と狸。 解釈:互いに化かし合いをすることで、両方ともに食わせ物だという意。 類義:狸と狢。 狐の子は面白(つらじろ)。 解釈:子は親に似るということ。 類義:瓜の蔓に茄子(なすび)はならぬ。親に似ぬ子なし、蛙の子は蛙。蝮 (まむし)の子は蝮。 反義:鳶が鷹を生む。 木の実は木の本(もと)。 解釈:木になった実は、その木の根元に落ちることから、物事は全て、起こ った元へ返ることのたとえ。 類義:木の根、木の本。木の実は本へ落ちる。 木元竹末(きもとたけうら)。 解釈:木は根元の方から、竹は先の方から割ると割りやすい。物事にはその 性質に合ったやり方があるというたとえ。 九牛(きゅうぎゅう)の一毛(いちもう)。 解釈:沢山の牛の中の一本の毛という意から、極めて多くの中のごく一部の ことをいう。 類義:四海の一滴。滄海の一滴。 参考:A drop in a bucket.(バケツの一滴) 鳩杖(きゅうじょう)。 解釈:握るところに鳩の形が付いた老人の杖のこと。中国の宮廷で老臣に授 けた杖だが、鳩は飲食にむせばないので、長生きするようにとの意がある。 牛蹄(ぎゅうてい)の魚(うお)。 解釈:死ぬか生きるかの瀬戸際のこと。 類義:轍鮒の急(てっぷのきゅう)。 喬木(きょうぼく)は風に折らる。 解釈:高い木は風の害を受けやすいことから、人より抜きん出て高い地位に 就くと、嫉まれて批判や攻撃を受けることが多いというたとえ。 類義:喬木(高木)は風に嫉まれる。高い木は風当たりが強い。出る杭(釘) は打たれる。 玉石混淆(ぎょくせきこんこう)。 解釈:よい物(玉)と、つまらぬ物(石)とが入り混じっていて、区別がつ かないこと。 類義:魚目(ぎょもく)珠(しゅ)に混ず。味噌も糞も一緒。 桐一葉(きりひとは)。 解釈:僅かの気配から、形勢の悪化を知ることのたとえ。桐は秋が近づくと 逸早くその葉を落とすことから。 類義:一葉(いちよう)落ちて天下の秋を知る。 麒麟の躓き(つまずき)。 解釈:どんなに優れた人でも失敗することはあるという意。「麒麟」は一日 に千里走るという駿馬(しゅんめ)。転じて俊才をいう。 類義:弘法(こうぼう)にも筆の誤り。猿も木から落ちる。竜馬(りょうめ) の躓き。 綺麗な花は山に咲く。 解釈:本当によい物は、人が気づかぬような所にあるというたとえ。 |