人垢(ひとあか)は身に付かぬ。
解釈:他人から奪った物は、一時的には自分の所有物になっても、長くは身
に付かないものであるということ。
類義:悪銭身に付かず。
人跡(ひとあと)繁ければ、山も窪む。
解釈:一人の人間が踏んでも土は幾らも窪まないが、人々の行き来が多くな
ると道になり、何時しか山も窪んで低くなるということ。
類義:雨垂れ石をも穿つ。釣瓶縄井桁を断つ。
人ある中に人なし。
解釈:世の中には大勢の人間がいるが、立派な人物は中々いないものだということ。
人一寸(いっすん)。
解釈:実際には僅かの違いでも、かなり違って感じられることのたとえ。
一浦(ひとうら)違えば、七浦(ななうら)違う。
解釈:不漁のときには、近隣の村も同じように不漁に見舞われるというよう
に、悪影響が広がる様のたとえ。
人衆(おお)ければ、天に勝つ。
解釈:人の勢いが盛んなときは、理不尽な事をしても、一時的に正しい天理
に勝つことがあるという意。
類義:人盛んなれば、神祟らず。人盛んにして、天に勝つ。
人屑(ひとくず)と縄屑は余らぬ。
解釈:あまり働かない人でも、それなりに何か使い途(みち)があるもので、
余って邪魔になるということはないというたとえ。
類義:女と塩肴は余らない。
人屑は火も焚けぬ。
解釈:満足に火も焚けないのは、取るに足らぬ人間であるということ。
類義:人を使わば、火を焚かせよ。
一口物に頬を焼く。
解釈:一寸した事に手を出して、うっかり失敗してしまうことのたとえ。
人食らい、馬にも合口(あいくち)。
解釈:乱暴者で手の付けられない者にも、頭の上がらない人がいるというた
とえ。
類義:噛む馬にも合口。
人肥えたるが故に、尊(たっと)からず。
解釈:人間の値打ちは、体格や風態などの外見で決めることはできないとい
うこと。
類義:山高きが故に尊からず。
人こそ人の鏡。
解釈:自分の行いを正しくするには、他人の言動を反省材料とするのが一番
よいというたとえ。
類義:人の振り見て、我が振り直せ。
人事(ひとごと)言えば影が射す。
類義:噂をすれば影が射す。
人盛んにして神祟らず。
解釈:人の運勢が盛んなときには、不正非道な事をしても通ってしまい、神
仏の力でもどうにもならないたとえ。
類義:人衆(おお)ければ、天に勝つ。仏力(ぶつりき)も強力(ごうりき)
に勝たず。凡夫(ぼんぷ)盛んにして神祟らず。
人盛んにして天に勝つ。
類義:人衆(おお)ければ、天に勝つ。
人酒を飲む、酒酒を飲む、酒人を飲む。
解釈:飲酒三態。始めのうちは確かに酒を味わって飲んでいるが、次第に酔
ってきて酒が酒を飲むという惰性的な飲み方となる。そのうち自制心を失って
乱れてしまうことのたとえ。
一筋縄で行かぬ。
解釈:尋常の手段では思い通りに扱うことができないたとえ。一癖も二癖も
ある人や、極めて厄介な問題を扱うときに用いる。
類義:甘い酢では行かぬ。甘口では行かぬ。
一筋の矢は折るべし、十筋(とすじ)の矢は折り難し。
解釈:ただ一人ではできないことでも、大勢が力を合わせればできるという
たとえ。
類義:結合は力をなす。単なれば則ち折れ易く、衆なれば則ち摧(くだ)け
難し。
一度(ひとたび)鳴けば、人を驚かす。
解釈:平生は大人しくして目立たないが、一旦行動を始めると、人をあっと
言わせるようなことをすること。
一つ事は同じ事。
解釈:一つの事柄をいろいろと言い換えてみても、結局は同じ事柄である。
分かり切ったことの意。
一つよければ、又二つ。
解釈:人間の欲にはきりがないこと。一つよい事があると、次々に欲望が起
こって、これでよしとは中々思わないものである。
類義:思う事、一つ叶えば又一つ。
人と入れ物は、有り合せ。
解釈:人と器は手近のものを使えということ。また、多いに越したことはな
いが、少なくてもそれなりに用が足りるということ。
類義:人と入れ物は、有り次第。
人通りに草生えず。
解釈:人の往来が多くて、何時も踏まれている地面に雑草は生えないように、
常に使用する道具は錆び付かないたとえ。
類義:転がる石には苔が生えぬ。使う鍬は光る。流れる水は腐らず。繁昌の
地に草生えず。
一時(ひととき)違えば、三里の後れ。
解釈:少しでもぐずぐずしていると、忽ち同行者から三里(約12q)くらい
は遅れてしまうということ。うかうかしている人と差が付くという戒め。
類義:一時三里犬走り。小便一町飯一里。
人と屏風は直ぐには立たず。
解釈:屏風は曲げなければ立たないように、人も正論を振りかざしていては
世の中を生きていけないということ。
類義:屏風と商人(あきんど)は直ぐには立たぬ。曲がらねば世が渡れぬ。
人捕る亀が人に捕られる。
解釈:無分別な人が、人を害しようとして、かえって自分が難を被ること。
類義:悪事身に還る。狩人罠に掛かる。人を謀れば、人に謀られる。
人に勝たんと欲する者は、必ず先ず自ら勝つ。
解釈:他人より優れた人になろうと思ったら、先ず自分の心に打ち勝たなけ
ればならないということ。
人に七癖、我が身は八癖(やくせ)。
解釈:他人の癖は目に付くから沢山あるように見えるが、気付かないだけで
自分自身ももっと多くの癖を持っているというたとえ。
人には飽かぬが、病に飽く。
解釈:長患いが周囲の人を圧迫すること。病人が厭になった訳ではなく、病
気に飽きるということ。
人には添うてみよ、馬には乗ってみよ。
解釈:人間の値打ちは外見や表面的な付き合いでは分からないもので、連れ
添って苦楽を共にしていると、今まで見えなかった相手の人間性が見えてくる。
馬もただ眺めているよりは、思い切って乗り回してみれば分かるものだという
意。食わず嫌いを戒めた言葉。
類義:馬には乗ってみよ、人には添うてみよ。人には逢うてみよ、馬には乗
りてみよ。
参考:The proof of the pudding is to eat it.(プディングの味を知るに
は、それを食べてみることだ)
人に一癖。
解釈:誰でも必ず癖を幾つか持っているという意。
類義:無くて七癖。人各々人癖有り。人に人癖、馬に馬癖。
参考:Every man in his way.(誰でも自分のやり方を持っている)
人に施しては慎みて、念(おも)うこと勿れ。
解釈:他人に恩恵を与えるときは、密かに行い、それを早く忘れる方がよい。
善行を他人に言い触らすようでは、それは虚栄となり、相手のプライドを傷付
けることにもなりかねない。
類義:右手の与える物は、左手にも知らせるな。
人の過ち、我が仕合せ。
解釈:他人の失敗が自分にとって思い掛けない好運となったことをいう。
類義:人の不幸が我が幸福。
人の意見は四十まで。
解釈:四十歳を過ぎた人に意見をしても、もう人格が固まっているので効果
がない。本人の意志を尊重すべきであるという意。
人の痛いのは三年でも辛抱する。
解釈:他人の苦しみは、自分とは無関係であるからと、平気で傍観すること。
類義:人の痛いは百年も堪える。
参考:The burden is light on the shoulder of another.(他人の苦労は苦
にならない)
人の一生は、重荷を負うて遠き道を行くが如し。
解釈:人生の行程は長く、重い荷物を背負って一歩一歩を着実に歩き続ける
ように生きていかなければならない、という徳川家康(とくがわいえやす)の
遺訓。
人の一寸、我が一尺。
解釈:他人の欠点は小さくても目に付くが、自分のこととなると大きな欠点
でも気が付かないものだということ。
類義:人の一寸は見えるが、我が身の一尺は見えぬ。人の七癖より我が八癖。
人の針程我が棒。我が身の一尺は見えぬ。
人の命は、万宝(ばんぽう)の第一。
解釈:人の生命は全ての宝よりも貴いということ。
類義:命あっての物種(ものだね)。命に過ぎたる宝なし。命は法の宝。
反義:命は鴻毛(こうもう)より軽し。命より名を惜しむ。
人の上に吹く風は、我が身に当たる。
解釈:他人に不幸が起こっても人事(ひとごと)だと見過ごしてしまうが、
やがては自分の身の上にも起こってくるものであるという意。
類義:昨日は人の身、明日は我が身。人の事は我が事。
人の上見て、我が身を思え。
解釈:他人の言動を見て、わが身に当てはめて自戒せよということ。
類義:人こそ人の鏡。人の振り見て、我が振り直せ。
人の嘘は、我が嘘となる。
解釈:人から聞いた話を、嘘かどうかを確かめもしないで、矢鱈に吹聴(ふ
いちょう)すべきではないという戒め。噂話はとかく無責任になり勝ちで、意
図はなくても嘘を吐いたことになってしまい、仲違い(なかたがい)の原因に
もなる。
類義:人の空言(そらごと)は我が空言。
人の噂は倍になる。
解釈:噂話というものは、人から人に伝わる毎に大きくなっていくものであ
る。
類義:話半分。
人の噂も七十五日。
解釈:どんなに評判になっても、七十五日過ぎれば自然に忘れ去られてしま
う。よい噂も悪い噂もそう長くは続かない。
類義:人の上も百日。よきも悪しきも七十五日。世の取沙汰(とりざた)も
七十五日。
参考:Wonders last but nine days.(驚嘆は九日間しか続かない)
人の踊るときは踊れ。
解釈:場違いな自己主張や殊更な反対は避けて、協調すべきときには協調し
た方が宜しいということ。
類義:郷(ごう)に入っては郷に従え。曲がらねば世が渡れぬ。
人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患う。
解釈:自分の真価が世間から正当に評価されないといって気にすることはな
い。それよりも自分が他人の力量・才能を見抜く力に欠けるのではないかと心
を配るべきであるという意。
類義:君子は能無きを病(うれ)う、人の己を知らざるを病えず。
人の風上に置けない。
解釈:性質や行動が卑劣なことを非難するとき、鼻持ちならない臭気にたと
えてこう言う。
人の口に戸は立てられぬ。
解釈:世間の噂や評判は、防ぎ切れないものであるという意。
類義:開いた口がには戸は立てられぬ。下種(げす)の口に戸は立てられぬ。
人の口恐ろし。
人の苦楽は壁一重。
解釈:壁一重隔てて隣の出来事は、それがどんなに大きな苦しみや喜びであ
っても、自分にとってはただの他人事としか感じられないということ。
類義:人の痛いのは三年でも我慢する。人の事より我が事。人の十難より我
が一難。
反義:人の事は我が事。
人の心は面(おもて)の如し。
解釈:人間は一人ひとり顔形や表情が違うように、その志や気持もそれぞれ
に違うものだということ。
類義:十人十色(じゅうにんといろ)。
人の心は九合十合(くごうじゅうごう)。
解釈:人間の考えたり感じたりすることは、大体似たり寄ったりで、大した
違いはないものだということ。
類義:人の心は九分十分(くぶじゅうぶ)。人の目は九分十分。
人の事は我が事。
解釈:他人の身の上に起こった出来事は、何時自分の身に起こるかもしれな
いという戒め。
類義:昨日は人の身、明日は我が身。人の上に吹く風は、我が身に当たる。
反義:人の痛いのは三年でも我慢する。人の苦楽は壁一重。
人の事より、足下(あしもと)の豆を拾え。
解釈:他人の事をかれこれ言うよりも、自分が人に言われないようによく注
意しろという戒め。
類義:人の事言わんより、肱垢(ひじあか)落とせ。人の事より我が事。我
が頭の蝿を追え。
人の事より、我が事。
解釈:あれこれと他人の世話を焼くより、自分の事をきちんとやれというこ
と。また、人への同情よりも、自分の利益を優先せよということ。
類義:人の事より、足下の豆を拾え。
人の子の死んだより、わが子の転けた。
解釈:他所の子の死よりも、自分の子が転んだことに心を痛める。他人の大
難には気を止めないが、自分に関わる事は小さな事でも大問題となるというた
とえ。
類義:人の十難より、我が一難。
人の牛蒡(ごぼう)で法事する。
解釈:大切な法事を、他所の檀那寺(だんなでら)で執り行う。大事な義理
を果たすのに、他人を上手く利用すること。
類義:舅(しゅうと)の物で相婿(あいむこ)もてなす。他人の財布で鰐口
(わにぐち)を鳴らす。他人の念仏で極楽詣り。人の褌(ふんどし)で相撲と
る。
人の七難より、我が十難。
解釈:他人の欠点はよく目に付くが、自分の欠点を自分で数えたてるのは中
々難しい。
類義:人の七難より我が八難。
人の十難より、我が一難。
解釈:他人の大難はさして気にかからず通り一遍の同情で見過ごして仕舞う
が、自分の身に振り掛かると僅かの難儀でも大問題となる。我が身が可愛いの
は人の常であるとうこと。
類義:人の苦楽は壁一重。人の子の死んだより、わが子の転けた。
人の背中は見えるが、我が背中は見えぬ。
解釈:他人の欠点は目に付くが、自分の欠点は分からないものである。
類義:人の一寸、我が一尺。人の七難より我が八難。人の針程我が棒程。
人の疝気(せんき)を頭痛に病む。
解釈:「疝気」は漢方で下腹部の内臓が痛む病気。他人の腹痛を心配して、
頭痛を起こす。他人の難儀を見て見当違いの心配やお節介をすることを戒めた
言葉。
類義:他人の疝気を頭痛に病む。
人の空言(そらごと)は、我が空言。
解釈:他人の嘘をそのまま受け売りすれば、それは自分が嘘を言ったことと
同じある。他人の言葉を吟味もせずに喋ってはいけないということ。
類義:人の嘘は我が嘘となる。
人の宝を数える。
解釈:他人の財産をあれこれ詮索したり、羨ましがったりすること。自分に
は何の利益にもならないことのたとえ。
類義:他人の宝を数える。隣の家の宝を数える。隣の宝を数う。
人の長(た)けは二十五の暁まで伸びる。
解釈:人間の身長は二十五歳くらいまでは伸びるものであるという意。
類義:男は二十五の明け方まで伸びる。
人の太刀で功名する。
解釈:刀は武士の魂といわれるのに、こともあろうに他人の太刀を借りて戦
功を立てるということ。他人を利用する人を非難するたとえ。
類義:人の提灯で明りをとる。人の褌(ふんどし)で相撲とる。
人の情(なさけ)は世にある時。
解釈:人情も打算に左右されるということ。社会的に活躍しているときには、
沢山の人が好意を寄せるが、第一線から退いたり、失脚した後は潮の引くよう
に離れていくものである。
参考:A friend is best found in adversity.(本当の友人は、逆境に立っ
たときに見い出される)
人の女房と枯木の枝振り。
解釈:他人の女房のことをあれこれ言っても始まらない、また枝振りが悪く
ても枯木の枝では直しようもない。よかろう悪かろうがどうでもよい、問題に
するほどのことではないということ。
人の蝿を追うより、己の蝿を追え。
解釈:他人の欠点はよく見えて気になるが、あれこれ忠告したり世話を焼い
たりするよりも、先ず自分を省みよという意。
類義:自分の部屋から先に掃け。人事言うより我が癖直せ。人の事より足下
(あしもと)の豆拾え。人の世話するより我が身の世話しろ。人の振り見て我
が振り直せ。
人の畠に入るな。
解釈:他人の畑に無断で入れば、盗みに入ったと疑われても仕方がない。疑
われるようなことはするなという戒め。
類義:瓜田(かでん)に履(くつ)を納(い)れず。李下(りか)に冠(か
んむり)を正(ただ)さず。
人の花は赤い。
解釈:他人の持ち物は何でもよく見えて、それを羨ましがる人の心を言った
もの。
類義:隣の花は赤い。隣の牡丹餅(ぼたもち)は大きく見える。隣の飯は白
い。
人の不幸が我が幸福。
解釈:人の不幸に付け込んで自分が幸福になろうという訳ではないのに、他
所の不幸な出来事が自分の幸福に繋がってしまうこと。
類義:人の過ち我が仕合せ。
人の振り見て、我が振り直せ。
解釈:他人の言動のよい点悪い点をよく見て、自分の行動をよい方向に直せ
ということ。人は自分の姿を直接見ることができないので、他人を自分の鏡に
して反省することが大切である。
類義:上手は下手の手本、下手は上手の手本。他山の石とする。人こそ人の
鏡。人の上見て我が身を思え。
人の褌(ふんどし)で相撲取る。
解釈:他人の商売道具を借りて、儲けだけはちゃっかり頂戴するような虫の
いい行為をけなすたとえ。自分の元手や労力を出し惜しみ、他人の物を極力利
用して利益だけは確保する。
類義:舅(しゅうと)の物で相婿(あいむこ)もてなす。人の家で饗応する。
人の太刀で功名する。
人の将(まさ)に死なんとする、その言や善し。(論語)
解釈:人は死の直前には、どんな悪人でもまともな事を言う。人は誰でも死
に際には本音を吐くという意味にも用いる。
人の目は九分十分(くぶじゅうぶ)。
解釈:世間の評価というものは大体同じで、一つの物事にそれほど掛け離れ
た評価はされないものだということ。
類義:人の心は九合十合。
人の物より自分の物。
解釈:他人の持ち物は、それがどんなによい物であっも、自分の物ではない
のだから、少しくらい悪くても自分の物の方がよい。自分の物だと、思うよう
に使えるし、従って愛着も深いものだ。
類義:借り着より洗い着。隣の花で仕方が無い。
人の悪(わろ)きは、我が悪きなり。
解釈:相手の態度がよくないのは、その人に対する自分の態度がよくないか
らで、原因は全て自分にあり、人を恨むことはないという意。
類義:自業自得(じごうじとく)。人の悪気(わるぎ)は我が悪気。
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