GLN町井正路訳「ファウスト」

第二十四場 夜、広野

No.14霊馬を駆るメフィストとファウスト
 
 ファウストとメフィストフェレスは黒馬に跨って馳せ急ぐ。
 
ファウスト  あの処刑場のあたりで奴等は何をして居るんだろう。
 
メフィスト  何をして居るんだか、僕にも分りません。
 
ファウスト  登ったり降りたり、横に傾いたり前に屈んだりして居るぜ。
 
メフィスト  矢張り妖婆の連中でしょう。
 
ファウスト  何んだか洒(そゝ)ぎかけて、呪(まじない)の様なことをして居るね。
 
メフィスト  さあ、急ぎましょう。

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