GLN町井正路訳「ファウスト」
第二十四場 夜、広野
ファウストとメフィストフェレスは黒馬に跨って馳せ急ぐ。
ファウスト
あの処刑場のあたりで奴等は何をして居るんだろう。
メフィスト
何をして居るんだか、僕にも分りません。
ファウスト
登ったり降りたり、横に傾いたり前に屈んだりして居るぜ。
メフィスト
矢張り妖婆の連中でしょう。
ファウスト
何んだか洒(そゝ)ぎかけて、呪(まじない)の様なことをして居るね。
メフィスト
さあ、急ぎましょう。
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