△本当は呪縛に悩んでいない
「或る人問う」
実は、賢い専在的保守派の人達は、このような事態を前々から想定しているんだ
ね。
「我は想う」
ほう。
「或る人問う」
(病魔に冒されて、虚ろになりながら……)
そのような緊急事態になったら、
①隣近所の誰かが、
②首相(=防衛庁とか、警察庁とか)か誰かが、
③同盟国か誰かが……、
きっと、超法規的的措置とかなんかで、なんとかしてくれるだろう。
それまでは、「社会的地位」と云う城郭=貝の中にじっと閉じこもって、「戦争
放棄」とつぶやきながら心に念じているのさ。
そのように心に念じていれば、がんだって治るのさ。これが先祖伝来の「知恵」
と云うものさ、私共の人生哲学と云うものさ……
「我は想う」
(うつらうつら……)
……
「或る人問う」
(益々虚ろになってきた……)
そうなんだ。超法規的的措置と云う伝家の宝刀(手術)があるんだ。
だから、本心は、「戦争放棄」と云う呪縛に悩んでいないのさ。ただ、再発しそ
うながん患者のように振舞っているだけなのさ。
何も、お前達にとやかく言われる筋合はないのさ。
子弟や後輩達も、このことはとっくに知っていることなんだ。
外国の連中も、我々が世界説得旅行に決して出かけないことを見抜いているの
さ。
外遊出来るお金もあまり無いけれども、我々はこの頃ようやく、
①共済年金などをいただいているので、まあまあの生活をしている、
②退職金で住宅を取得したので、死ぬまで建て替える必要はないだろう、
③いろいろな公的職務(民生委員とか、○○推進委員などなど)を委嘱されている
……、
ような身分になったので、今更このような生活環境を変えたくない……。
ただ我々は、
①自分達の安穏な老後を続けるために、
②自分達のささやかな健康作りのために、
③自分達の理想郷(=戦争放棄)を夢見ながら、長生きするために……、
ただただ、わめいているだけさ……、気にしないでおくれ……。意固地になったよ
うに見せているだけだ……。
本当は純情で、恥ずかしがり屋で、お人よしなのさ……。
一人では何も……、……。
「我は想う」
(つい、居眠りして夢を見ていた……)
えっ?!……、ああ、よかったよかった……。
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