△人生儀礼のこと
「或る人問う」
古来より、わが国の伝統行事の一つとして人生儀礼(通過儀礼とも)がある。
人生儀礼とは、人生それぞれの節目のときに家族で祝い、またこれまでの無事を
感謝して、氏神様や崇敬する神社にお参りしたり祈願したりすることを云う。
「我は想う」
しかして、人生儀礼について、次のように考えることも出来よう。
植物の場合、サクラの樹では、例えて云うなら、
一夜にして花が満開となり、
一夜にして若葉が茂り、
一夜にして紅葉する………
など、それまでの状況が突如として急変し、環境ががらりと変わることで、人々を
して驚嘆させることがある。
この急変は、人々が、今までの環境に馴染んできて、生活なり人生観なりを構築
した概念 = 均衡を破った(裏切った)ことになる。
そしてサクラの樹は、この急変後の環境に即して、人々に対して新たな生活設計
の構築を迫ることになる。
サクラの樹の急変は、人々への裏切りでなくして、何なのであろうか、正に裏切
りであろう。
「或る人問う」
ヒトの場合も同様であるのか。
「我は想う」
例えば、一夜にして二人家族の間に子供が生まれて三人となる。即ち社会構造の
急変である。
このようなときは、お祝いとかをして、周囲の人々や関係する人々に対して、そ
の急変を知らしめ、納得していただく必要がある。氏神様(産土様ウブスナサマとも)
にも奉告する必要がある。
これを、儀礼と云う………と。
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