△被害者意識と裏切り 「或る人問う」 「裏切り」を「人の信頼にそむく行為をする」と解することについて、考えてみた い…… 「我は想う」 緑の森であるべき森林が、松くい虫や酸性雨によって、突如として枯死したとき も、私共は、その枯死現象を自然のあるべき姿の裏切りと思う。 「或る人問う」 即ち、当然にして「あるべき」ことが、その期待どおりに行われないことを裏切 りと感じる、と云うことだね。 「我は想う」 梅雨の季節になっても雨が降らなかったり、夏になっても暑くならないもの、私 共への自然の裏切りと考えられるね。 「或る人問う」 例えば、強者が弱者へ優しい施しをしてくれなかったり、先生が生徒に対して、 優しく教えてくれなかったときは、人々はそれを裏切りと感じる。 特に弱者や生徒が被害者であると自認しているときなどは、この裏切り感は著し い…… 「我は想う」 本来、敗者と被害者とは別物ではあるが、ときとして、敗者 = 被害者と考える 風潮にあることも事実だね。 |
[次へ進む] | [バック] |