徒然想問

個の価値


△上下関係と網目状組織(ネットワーク)
「或る人問う」
 神仏と教徒とは、上下関係にあるのか?
 
「我は想う」
 他力宗においては、神仏と教徒とは相交わることはなく、上と下とに明確に区切
られている。
 
「或る人問う」
 そこの人々の頭上には、いつも神仏が居り、人々を覆っている、と云う構図だ
ね。
 すると、究極的には、人々は全て平等(を志向すること)を余儀なくされるって
ことだね。つまり、丸薬を作るときの、個々のツブツブの原料(= 人々)と、そ
れを均して丸める板(= 神仏)に例えられるね。
 
「我は想う」
 えっ…………
 
「或る人問う」
 平等を志向するってことは、個々の自由を奪うと云うことにも受け取れるから
ね。
 
「我は想う」
 わが国の神道などの自力宗においては、個を大切にすることによって成立する。
 
「或る人問う」
 つまり、自由があるが、平等感に欠けると云うことだね。
 
「我は想う」
 しかし森羅万象、この世は、個性的でデコボコなる物の集まりで成り立ってい
る。
 それらが、有機的なネットワークを作って、活発に効率的に機能しているんだ。
 
「或る人問う」
 義務的な、あるいは矯正された平等には、有機的に結合されたネットワークが存
在しない、と云うことだね。
 
「我は想う」
 そのように想う。

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