△ソフトウエアは絶対権力者
「或る人問う」
多くの中高年の方々は、パソコン(コンピュータ操作)が苦手だと云う。
「我は想う」
昨今のわが国を指導している、主に高学歴の方々の大方は、生まれも育ちも恵ま
れているからであろう。
「或る人問う」
優秀な頭脳の持ち主ほど、パソコンの知識を習得するのに有利だと思うが………
「我は想う」
パソコンは、優秀な人材は要求しない。要求する人材は、完全な人間である。
頭脳はそれほど優秀でなくとも、与えられた(パソコンから指示された)操作を
完璧に行うことが要求されるのである。
「或る人問う」
ところが通常、優秀な人とは、例えばテストで満点をとる必要はない。百点満点
のとき99点をとれば良い。他の人々が98点以下であれば、首位を確保出来る。
「我は想う」
教室でも、会社などの組織でも、社会でも、必ずしも満点をとる必要はなく、他
の人々よりも高い成績をとれば、それぞれの指導者になれるのである。
「或る人問う」
ところが、パソコンは違うと…………
「我は想う」
例えば、良家に育った人が99点をとったとすると、あとの1点は、いつも家の人が
補完してくれる。何も満点をとらなくても良いとして育てられるのである。
「そこまで立派に仕上げれば、見上げたもんだ。あとの残りは、私共家の人がや
っておくから……」と。
「或る人問う」
ところが、パソコンは違うと…………
「我は想う」
ところが、パソコンは違う。
どんな些細で、平易な操作でも、ソフトウエアの指示に100%の完璧さをもって
対応しないと、パソコンは求めるところの正しい成果を導いてくれない。
「或る人問う」
すると、ソフトウエアは、唯一絶対神的存在のようだね。
「我は想う」
まあね。
「或る人問う」
たとえソフトウエアに誤り(バグ)があったとしても、そのソフトウエアの指示
に従わなくてはならないのか……?!
「我は想う」
パソコンを操作する人は、自己の性根(しょうね)を正して、ソフトウエアの命
令に服しなければならない、たとえ良家の優秀な人でも…………
「或る人問う」
ところが、良家に育って、優秀な頭脳の持ち主と自認する方々は、99点で良しと
しているので、パソコンにはなじめないのか。
「我は想う」
そのような方々は、相当に自我や自尊心が強いからね…………
そのため、今までパソコンの普及が思いのほか進まなかったとの見方もある。
「或る人問う」
今日現在、こんなにパソコンが普及して、各種業務処理が格段に効率的になった
としても、一向に人員削減が行われないと云うことか。
「我は想う」
???
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