05 明神・名神
 
                       参考:堀書店発行「神道辞典」など
 
〈明神・名神ミョウジンとは〉
 
 名神(明神とも)とは、天下諸社のうちでも、特に霊験の著しい神である。国家乃至
民生に関してその霊徳を仰がれた「名社の神名」(『日本三大実録』別掲参照)のこと
であり、名神に列すると云う記事は、国史(『日本後記』弘仁二年七月己酉以下)に累
見し、この外、続紀天平二年十月庚戌の条に、渤海の信物を諸国の名神の社に奉らせた
(「名神」と云うことの初見)と云うことなど、名神に関することは六国史に全て百二
十回表れ、「名神」を「明神」と記している場合もあるが、意味は全く同じである。延
喜神名式(上下)では、「名神」と注する神社は二二三所であるが、同臨時祭式に列記
される名神は二〇三所(二八五座)である。後世になると、名神の称は用いられなくな
り、専ら明神乃至大明神が用いられるようになった。
 
別掲『日本三大実録』貞観五年三月
○四日丙寅。來(來偏+力)班幣七道諸国名神。今春咳嗽流行。人多疫死。仍祷名社神
明。有感。因以賽之。
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