03 恩頼のこと
参考:大倉精神文化研究所発行「神典」
〈恩頼ミタマノフユ〉
『日本書紀』(神代 上)「大己貴命・少彦名命の経営」
一書に曰く、・・・・・・夫カの大己貴命オホナムチノミコト、少彦名命スクナヒコナノミコトと力を戮アハせ心を一
ヒトツにして、天下アメノシタを経営ツクりたまふ。復マタ顕見蒼生ウツシキアヲヒトクサ及マタ畜産ケモノの為に、
則ち其の病ヤマヒを療ヲサむる方ノリを定む。又鳥、獣ケダモノ、昆虫ハフムシの火(ウ冠+火)異
ワザハヒを攘ハラはむ為には、則ち其の禁厭之法マジナヒヤムルノリを定む。是を以て百姓オホミタカラ今に
至るまで咸ミナ恩頼ミタマノフユを蒙カガフれり。(下略)
『古語拾遺』「大国主神と少彦名神」
・・・・・・大己貴神オホナムチノカミは、少彦名神スクナヒコナノカミと共戮力一心ミココロヲアハせたまひて、天下
アメノシタを経営ツクりたまひ、蒼生アヲヒトグサ畜産ケモノの為に療病之方ヤマヒヲナホスワザを定め、又鳥獣
トリケモノ昆虫ハフムシの災ワザハヒを攘ハラはむが為に、禁厭之法マジナヒノノリも定めたまひき。百姓
オホミタカラ今に至るまで咸コトゴトく恩頼ミタマノフユを蒙カガフりて、皆効験シルシ有り。(下略)
即ちは、
大己貴命(大国主神のこと)は、少彦名命と力を合わせ心を一にして、天下(日本の
国)を造り治めて下さいました。また国民や獣達のために、その病気を治療する方法を
お定めになりました。また鳥獣や昆虫の災いを払うために、その退治の方法をも定めら
れました。このことによって、国民全ては今日に至るまで、この二柱の神の恩頼を受け
てきたのです。
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