05 霊
参考:大倉精神文化研究所発行「神典」
〈霊ミタマ・ミカケ〉
『日本書紀』(敏達天皇)
十年春閏二月、蝦夷エミシ数千チヂ辺境ホトリに寇アダナう。是コレに由ヨりて其の魁帥ヒトコノカミ綾糟
等アヤカスラを召して、詔ミコトノリして曰ノタマはく、惟ココに爾(人偏+爾)オれ蝦夷をば、大足彦
天皇オホタラシヒコノスメラミコト(景行天皇)の世ミヨに、殺すべき者は斬コロし、原ユルすべき者は赦ユル
したまへり。今、朕アレ、彼カの前例サキノアトに遵シタガひて、元モハら悪アシキモノを誅コロさむと欲ホリ
すと。是ココに於オキて綾糟等懼然恐懼オヂカシコマりて、乃スナハち泊瀬ハツセの中流カハナカに下オりゐ
て、三諸岳ミモロノタケに面ムカひ、漱水クチススギて盟チカひて曰マヲさく、臣等ヤツコラ蝦夷、自今イマヨリ
以後ノチ、子子孫孫ウミノコノヤソツヅキ、清明スミアキラかなる心を用モて天闕ミカドに事ツカヘ奉マツらむ。
臣等若し盟チカヒに違タガはば、天地アメツチの諸神モロモロノカミ及マタ天皇の霊ミタマ、臣ヤツコラが種スエを
絶滅ホロボしたまへ。
即ち、
・・・・・・(蝦夷が)この盟(誓い)に違犯するとすれば、天神地祇の霊及び天皇の臣等
が、その方の種(末裔)までも滅ぼしてしまおうぞ。
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