08 怨霊・悪霊
 
あく‐りょう【悪霊】アクロウ・アクレイ
 祟りをする死霊。物の怪モノノケ。怨霊オンリョウ。
あくりょう‐みんぶきょう【悪霊民部卿】
 藤原忠文の異称。
 
いき‐すだま【生魑魅・生霊】(古くはイキスタマ・イキズタマか)
  生きている人の怨霊。いきりょう。
 
いちじゃま【生霊】
 奄美・沖縄地方で、生きている人の怨霊を云う。人を呪詛して病気を起させ、呪い殺
 すこともあると信じられた。
 
いぬ‐がみ【犬神】
 四国などに伝わる俗信で、人に害をなすと云う目に見えない憑つきもの。犬などの霊
 とされる。これに憑かれた家筋(犬神筋)は縁組などを嫌われた。
 
いのり‐の・く【祈り退く】
 悪霊などを祈祷の力で追い払う。
 
うち‐まき【打撒き】
 @悪霊除けのために米を撒き散らすこと。また、その米。散米サンマイ。
 A神拝の時、神前に撒く米。散米。散供サンク。
 
うわ‐なり【後妻・次妻】
 @「うわなりねたみ」の略。
 A怨霊。
 以下略
 
えん【怨】(呉音はオン)
 怨むこと。「怨嗟・私怨・怨念・怨霊」
 
おさき‐よつじろ【尾先四白】
 尾と四足の先が白い犬。異霊を有する犬として、飼うことを忌む地方がある。
 
おしみ‐の‐き【惜しみの木】
 霊木として手を触れぬ木。千葉県で云う。
 
おに【鬼】(「隠おに」で、姿が見えない意と云う) 
 @天つ神に対して、地上などの悪神。邪神。
 A伝説上の山男、巨人や異種族の者。
 B死者の霊魂。亡霊。
 C恐ろしい形をして人に祟りをする怪物。物の怪モノノケ。
 
おん‐がい【怨害】
 怨霊がする災い。
 
おん‐りょう【怨霊】
 怨みを抱いて祟りをする死霊又は生霊イキリョウ。
 
き‐じん【鬼神】オニガミ・キシン
 @死者の霊魂と天地の神霊。人の耳目では接し得ない、超人的な能力を有する存在。
 A荒々しく恐ろしい鬼。化け物。変化ヘンゲ。
 
きゅう‐き【窮鬼】
 @貧乏神。Aいきすだま。悪霊。
 
くる・う【狂う】
 @心が乱れる。正常心を失う。気が違う。
 A神霊や物の怪けが取り憑く。神懸かりになる。
 
げん‐えい【幻影】
 そこにいない人間や霊魂の幻覚。本当は存在しないのに、あるように見えるもの。幻。
 「幻影に怯える」
 
ご‐りょう【御霊】
 @霊魂の尊敬語。後に、尋常でない、祟たたりを現す「みたま」について言った。
 A御霊会ゴリョウエの略。
ごりょう‐え【御霊会】
 疫神又は死者の怨霊を鎮め宥めるために行う祭。平安以降行われ、特に、京都の祇
 園御霊会は有名。みたまえ。ごりょうまつり。
ごりょう‐しんこう【御霊信仰】
 疫病や天災を、非業の死を遂げた人物などの御霊の祟りとして恐れ、御霊を鎮めるこ
 とによって平穏を回復しようとする信仰。
ごりょう‐づか【御霊塚】
 祟りを怖れて、霊魂を祭った塚。各地にある五郎塚はこの転か。
ごりょう‐まつり【御霊祭】
 御霊会に同じ。
 
ごりょう‐じんじゃ【御霊神社】
 京都市上京区にある元府社。早良サワラ親王らの八所御霊を祀る。同名の社は全国に多
 く、何れも遺恨の死を遂げた人々の御霊を祀る。
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