11 賀茂真淵 参考:堀書店発行「神道辞典」ほか 〈賀茂真淵カモノマブチ〉(元禄一〇〜明和六・1697〜1769) 江戸時代の国学者、復古神道家で、国学四大人の一人である。 本性は岡部、初の名は春栖・政躬・政藤などと呼んだが、後真淵と改め、縣居アガタイと号 した。 三十七歳のとき、妻の激励によって京都に上り、荷田春満の門下となったが、その学 問の大成するに及んでは、江戸に下って、国学・復古神道の普及に努め、門人の数も三百 余に達した。本居宣長・荒木田久老・加藤千蔭・村田春海・楫取魚彦カトリナヒコ等はその門人。 万葉風の和歌を詠じ、古言を以て文章を綴ったが、その本意とするところは、我が上 代の道を明らかにしようとすることにあって、歌文などは古道解明の手段に過ぎなかっ た。 その著書も極めて多いが、中でも『万葉考』『祝詞考』『延喜式祝詞解』『国意考』 『爾比真奈備ニヒマナビ』などは、神道史上からも注目すべきものである。他に「歌意考」 「冠辞考」「国歌論臆説」「語意考」「古今和歌集打聴」などがある。 県居神社(静岡県浜松市東伊場町)は、賀茂真淵を祀る。[次へ進む] [バック]