10 神社有職故実
 
〈手水とその用具〉
 
△手水(テミズ・チョウズ)
 日常手の汚れを水で洗う、その水を「てみず」と云い、「てみず」を使用することを
「ちょうず」とも云います。
 祭典の奉仕員、参列員、参拝者は何れも斎戒沐浴して心身を清め、更に祭典直前に手
水を行い、寸毫の穢なきを期します。これが手水の儀の意義であって、祭典には修祓と
共に最も重要な前儀です。手水には水なき場合、草木の葉、雪等で手をこすってお清め
することがあります。即ち花手水(榊の葉)、芝手水(枯葉)、草手水(青草の葉)、
雪手水などです。
 
△手水用具
一 桶オケ
 桶には手水用の水を容れます。桧の薄板を円く曲げて樺桜の皮で綴じ、底と蓋を附け、
また木樽様の桶をも使われる。
二 桶台・水受ミズウケ
 桶台は桶を載せる桧製の台、水受は箱状で中に杉葉などを入れます。
三 柄杓ヒシャク
 柄杓は、桧の素木シラキ製の曲物マゲモノに底と柄とを附けたものです。
四 拭紙ヌグイガミ
 拭紙は手を拭う紙で、白紙を箱に入れて台に載せ、又は竹串に挟みます。
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