[紙垂]
紙垂(垂、四手とも)は「しだれ」の約言で、太古、天石窟の条(古事記)に「五百津真賢木を根こじて……下枝に白丹寸手、青丹寸手を取り垂でて」とあるに起源します。
紙片を幣帛、榊枝などに取り垂でて神前に奉り、また清浄の標識とします。
古くは木綿を用いたが、紙(紙は木綿と同原料の楮のためその代用とする)などを用いるようになりました。
因みに、麻や木綿を祓具にしたのは、古、人間生活に欠くべからざる衣服の原料であったので、その霊徳によって不浄を祓い清め得ると信じたのに因由するとされます。
また、祓具である切麻に米を混えるのも、米は食料としての生命の根元たるその霊徳に信憑したからと云います。
[詳細探訪]
紙垂は、神籬、幣串、大麻、小麻、玉串、注連縄などに取り垂でます。
幣帛の挟み方には白川流と吉田流とがあり、垂れの数には二垂(中取)、三垂、四垂、七垂、八垂などがあります。
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