03f 文言一覧1
己所不欲 勿施於人 己オノレの欲ホッせざるところは、人に施ホドコすことなかれ
(論語)
己欲立而立人 己欲達而達人 己オノレ立たんと欲ホッすれば人を立て、己達タッせんと欲す
れば人を達せよ(論語)
古之学者為己 今之学者為人 古イニシエの学者は己オノレのためにし、今の学者は人のため
にす(論語)
古者民有三疾 今也或是之亡也 古イニシエは民タミに三疾サンシツあり。今やあるいはこれなし
(古/三疾:狂から蕩へ・衿から忿戻フンレイへ・愚から詐へ)
(今/三疾:狂から肆へ・衿から蕩へ・愚から廉へ)(論語)
故旧不遺 故旧コキュウ遺ワスれず(論語)
故旧無大故 則不棄也 故旧コキュウ、大故タイコなければ棄スてず(論語)
顧答審詳 コタウシンシャウ こたうは しんしゃうにす
顧答は返事のこと。他に返事を出すには、つまびらかにして、よくわかるや
うに書くべきをいふ(千字文)
孤陋寡聞 コロウクワブン ころうにして すくなくきける
孤陋とは才能なくして識量の狹きこと。寡聞は其の見聞のせまきこと。著者
の謙遜の句(千字文)
五十以学 易可以無大過矣 五十もって学ぶも、易マタ、大過タイカなかるべし(論語)
吾少也賎 故多能鄙事 君子多 われ少ワカくして賎イヤし。故に鄙事ヒジに多能タノウなり。
乎哉 不多也 君子、多タならんや、多ならざるなり(論語)
吾日三省吾身 われ日ヒに三たびわが身を省カエリみる(論語)
後生可畏也 焉知来者之不如今也 後生コウセイ畏オソるべし。いずくんぞ来者ライシャの今イマに
如シかざるを知らんや(論語)
梧桐早凋 ゴトウサウテウ あをきりは はやくしぼめる
梧桐とて青ぎりは、すぐれて大なる葉なれども秋にいたれば、他の木よりも
早く凋ぼみ落つるなり(千字文)
工欲善其事 必先利其器 工コウ、その事コトを善ヨくせんと欲ホッすれば、必ずまずそ
の器キを利トくす(論語)
巧言令色 鮮矣仁 巧言令色コウゲンレイショク、鮮スクなし仁ジン(論語)
攻其悪無攻人之悪 非脩慝与 その悪を攻めて人の悪を攻むるなきは、慝トクを脩オサむ
るにあらずや(論語)
攻乎異端 斯害也已矣 異端を攻オサむれば、ここに害ガイ已ヤまん(論語)
好勇疾貧乱也 勇ユウを好みて貧ヒンを疾ニクむときは乱ランす(論語)
好爵自縻 カウシャクジビ よきくらゐ おのづからまとはる
好爵とて、よき官爵その他、欲し求むるところのもの、それらの自ら至りて
其身にまとはる(千字文)
興於詩 立於礼 成於楽 詩に興オコり、礼に立ち、楽ガクに成る(論語)
孝當竭力 カウタウケツリョク かうは まさにちからをつくすべし
孝とはいかなることかといふに、己れの力の及ぶ限り、父母の心を安んじて
奉養することなり(千字文)
孔懷兄弟 コウクワイケイテイ はなは けいていをおもひ
孔は、はなはだにて、兄弟を思は人の至情なり。兄弟は特に親しみ愛すべし。
下(次)の句に及ぶ語なり(千字文)
交友投分 カウイウトウブン ともにまじはる ぶんにとうじ
常に交際する友人は、其分に應じて、意氣の合ふものをえらぶべし。これを、
交友投分といふなり(千字文)
剛毅木訥近仁 剛毅ゴウキ木訥ボクトツ、仁に近し(論語)
克己復礼為仁 己オノレに克カちて礼に復カエるを仁となす(論語)
克念作聖 コクネンサクセイ よくおもへば せいとなる
よく古昔の聖人の言行を思ひ、それに倣ひて修養すれば、其人もまた聖人と
なるとの意なり(千字文)
困而不学 民斯為下矣 困クルしみて学ばざる、民タミ、これを下ゲとなす(論語)
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