0302e 文言一覧3
 
[ラ]
頼及萬方 ライキフバンバウ  さいわひは ばんばうにおよぶ
     頼は幸ひにて、人民に利益ある幸ひは、其國のみならず、版圖外の萬方の國
     々までも及ぶをいふ(千字文)
 
落葉飄揺 ラクエウヘウエウ  おちばは ひるがへる
     又、秋に至りて草木の葉は、色あかくなり、ひらひらと風に吹かれ、園内に
     散りしきてさびし(エウは風偏の揺)(千字文)
 
犂牛之子 (馬辛)且角 雖欲 犂牛リギュウの子、(馬辛アカ)くしてかつ角あらば、山川
 勿用 山川其舎諸      サンセンそれこれを舎スてんや(論語)
 
律呂調陽 リツリョテウヤウ  りつりょ やうをとゝのふ
     律呂とは音樂のことなり。中国の昔は音樂の調子にて天地間の陽氣をとゝの
     へたることをいふなり(千字文)
 
兩疏見機 リョウソケンキ  りょうそ きをみる
     疏座と疏受との賢人父子ありて、父は足ることを知れば危からずといひ、子
     は功成り名遂ぐといひ(千字文)
  
凌摩絳霄 リョウマカウセウ  かうせうを しのぎする
     絳霄は、赤き色をあらはす日没の大空なり。コンは此大空を飄々乎として、
     獨り忍びあそぶ景(千字文)
 
臨深履薄 リンシンリハク  ふかきにのぞみ うすきをふみ
     忠孝の道をつくすことは、宛も深き淵に臨むがごとく薄き水を履むが如く、
     愼みて行ふべきなり(千字文)
 
林皐幸即 リンカウカウソク  りんかう さいはひにつく
     林皐とは山林にて、高位高官に昇るときには、好機會を見て退き、山林の間
     に隱るゝを幸とす(千字文)
 
礼与其奢也寧倹 喪与其易也寧 礼はその奢オゴらんよりも寧ムシろ倹ケンせよ。喪はその易
 戚             オサめんよりも寧ろ戚セキせよ(論語)
 
礼之用和為貴         礼の用ヨウは和ワを貴トウトしとす(論語)
 
礼云礼云 玉帛云乎哉 楽云楽 礼レイといい礼というも、玉帛ギョクハクをいわんや、楽ガク
 云 鐘鼓云乎哉       といい楽というも、鐘鼓ショウコをいわんや(論語)
 
禮別尊卑 レイベツソンピ  れいは たかきとひくきをわかつ
     又、冠、婚、喪、祭等の禮式も、貴賎、上下の別ありて、上下整然と調ひ、
     混ぜざりしなり(千字文)
 
露結爲霜 ロケツヰサウ  つゆむすぼりて しもとなる
     夏すぎて秋になれば空中の水氣が露となり、それが寒氣にあひて凝り結びて
     霜となるをいふ(千字文)
 
老者安之 朋友信之 少者懐之 老者ロウシャはこれを安ヤスんぜしめ、朋友ホウユウはこれを信
               シンぜしめ、少者ショウシャはこれを懐ナツかしめん(論語)
 
老少異糧 ラウセウヰリョウ  らうせう かてをことにす
     老少とは老人と少年とのことにて、兩者各々其食物の糧を異なす。老人は柔
     かき物を食するなど(千字文)
 
労而不怨           労ロウして怨ウラみず(論語)
 
勞謙謹勅 ラウケンキンチョク  つとめてゆずり つゝしみつゝしむ
     勞謙とは専ら人にへりくだりゆづり、謹勅とは、其の言行を正しくつゝしみ
     て方正實直なるなり(千字文)
 
六十而耳順 七十而従心所欲不 六十にして耳ミミ順シタガい、七十にして心の欲ホッする所
 踰矩            に従って矩ノリを踰コエズ(論語)
 
六言六蔽           六言リクゲン六蔽リクヘイ(仁と愚愛・知識と物知り・信義と
              中傷・率直と愚直・勇気と混乱・剛強と邪心)(論語)
 
論篤是与 君子者乎 色荘者乎 論ロンの篤アツきにこれ与クミすれば、君子たる者か、色荘
               シキソウなる者か(論語)
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