0301b 文言一覧2
所謂大臣者 以道事君 不可則止 いわゆる大臣なる者は、道をもって君に事ツカえ、不
可フカなれば止む(論語)
庶幾中庸 ショキチュウヨウ ちゅうようを こひねがひ
中とはかたよらぬこと。庸とは常にしてかはらぬこと。此の中庸をこひねが
ひ望みて之れを得(千字文)
如有周公之才之美 使驕且吝 もし周公シュウコウの才サイの美ビありとも、驕キョウかつ吝リン
其余不足観也已矣 ならしめば、その余ヨは観ミるに足タらざるのみ(論語)
如履薄冰 薄冰ハクヒョウ履フむがごとし(論語)
如松之盛 ヂョショウシセイ まつの さかんなるがごとし
又、松の蒼々として青く、丁々として高く、枝葉の繁茂する如く、人に仰慕
せらるゝこと(千字文)
女子与小人為難養也 近之則不 女子ジョシと小人ショウジンとは養い難ガタしとなす。これを
遜 遠之則怨 近づくれば不遜フソン、これを遠ざくれば怨ウラむ(論語)
女慕貞潔 ヂョボテイケツ をんなは ていけつをしたひ
いやしくも婦人は、貞操、潔白の行ひを慕ひて、此行ひに背かざらんことを
期せよといふことなり(ケツはサンズイのない潔)(千字文)
諸姑伯叔 ショコハクシュク もろもろのをばをぢ
諸姑とはもろもろのをばにて、父の姉妹なり。伯叔とはをぢにて、父の兄弟
なり。伯は兄叔は弟(千字文)
小不忍 則乱大謀 小ショウ、忍シノびざれば、大謀タイボウを乱る(論語)
小人之過也 必文 小人ショウジンの過アヤマつや、必ず文カザる(論語)
省躬譏誡 セイキウキカイ みを きかいにかへりみて
みづから常にかへりみて、過失なきやと心がけ、事々物々に注意して愼しみ
戒しむべきをいふ(千字文)
悚懼恐惶 ショウクキヤウクワウ しょうく きょうくわうす
心中にまことありて、おそれかしこみ。祖先の功勞を拜謝して、丁寧に祭る
べきをいふ(千字文)
上好礼 則民莫敢不敬 上カミ、礼を好めば、民タミ、敢えて敬ケイせざることなし
(論語)
上好礼 則民易使也 上カミ、礼を好めば、民タミ使いやすし(論語)
上和下睦 ジャウワクワボク かみやわらぎ しもむつび
天下よく治まりて、人君は臣民をあはれみ、臣民は君主を尊敬して上下和ぎ
睦じかりしことなり(千字文)
色悪不食 臭悪不食 色の悪しきは食わず、臭いの悪しきは食わず(論語)
食不語 寝不言 食クらうに語らず。寝イぬるに言はず(論語)
食無求飽 居無求安 食ショク飽アかんことを求むるなく、居キョ安ヤスからんこと
を求むるなし(論語)
屬耳垣墻 ショクジケンシャウ みゝを けんしゃうにあつむ
ことわざにいふ如く、壁に耳ありといへば、人なき所にても必ず言行を愼し
むべきなり(千字文)
信近於義 言可復也 信シン、義ギに近づけば、言ゲン復フむべし(論語)
信而後諌 未信則以為謗己也 信ぜられて後ノチに諌イサむ。いまだ信ぜられざれば、も
って己オノレを謗ソシるとなさん(論語)
信使可覆 シンシカフク まことは くつがへすべからしめ
信は眞實にて、一旦約束したることをいふ。此約束したることは、必で實行
すべきを期せよとの意(千字文)
浸潤之譖 膚受之愬 不行焉 浸潤シンジュンの譖ソシリ、膚受フジュの愬ウッタエ、行なわれざ
可謂明也已矣 る、明メイと謂イうべきのみ(論語)
深則勵 浅則掲 深ければ勵レイし、浅ければ掲ケイす(レイは力のない勵)
(論語)
辰宿列張 シンシュクレッチャウ ほしのやどりは つらなりはる
辰は天の十二宮、宿は二十八宿にて共に星の座なり。此辰と宿との日月と共
に天に列り懸るをいふ(千字文)
愼終宜令 シンシウギレイ をはりをつゝしみ よろしくいましむべし
又、其初めのみにて無く、終りを愼みて鄭重にする時は、善良の結果を得る
故常にこれを戒むべし(ギはワカンムリの宜)(千字文)
心動神疲 シンドウシンヒ こゝろうごけば しんつかる
心定まらず、動きやすきは、其行ひも亦輕躁にてそれにしたがひ、精神も疲
労するをいふ(千字文)
親戚故舊 シンセキコキウ しんせきこきう
親族や、ふるなじみは、互ひに往來し音信して、其交情を温めて、親密にす
べきことなり(千字文)
人之生也直 罔之生也 幸而免 人の生イくるや直ナオし。これをなくして生くるは、幸
サイワイにして免マヌガるるなり(論語)
人之将死 其言也善 人のまさに死なんとするや、その言うこと善ヨし(論語)
人而不仁如礼何 人而不仁如楽何 人にして仁ジンならずんば礼を如何イカンせん。人にし
て仁ならずんば楽ガクを如何イカンせん(論語)
人能弘道 非道弘人也 人よく道を弘ヒロむ。道、人を弘むるにあらず(論語)
人不知而不慍 不亦君子乎 人ヒト知らずして慍ウラみず、また君子ならずや(論語)
人之過也 各於其党 人の過アヤマつや、おのおのその党トウにおいてす(論語)
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