02 権現神とは
参考:堀書店発行「神道辞典」
〈権現神ゴンゲンシンとは〉
権現神とは、仏が衆生シュジョウ済度サイドのために其の本身を隠し、権カリ(仮)に我が国
に現れた神とされる。神号に権現と言うのは、最勝王経(金光明最勝王経・金光明経とも
)に「世尊金剛体、権現於化身」とあるより出たとされている。この権現の思想、また
本地垂迹説により、奈良時代より菩薩の称号を諸神に適用することが行われた。神道の
ことにかけて権現を用いたのは、朱雀天皇の承平七年(937)十月太宰府牒に「彼宮(宇
佐)此宮(筥崎)雖其地異、権現菩薩垂迹猶同。」とあるのが初めとされている。即ち
宇佐八幡・筥崎八幡に菩薩号を附したことが分かる。しかし、平安中期以後に、この思想
は一段と受容せられる。つまり日吉を山王権現、熊野を證証大権現などはその例証であ
る。その他伊豆山権現・箱根権現・三島権現・蔵王権現・九頭龍権現・金比羅大権現・東照大
権現(徳川家康)などがある。
なお権現信仰とは、権現神に対する信仰である。
明治元年三月、神仏混淆の禁止により、権現を神号に使用することや、この種の信仰
は禁ぜられたが、ゴンゲン様とはカミ様の謂として一部の民衆の中に未だ根強く生きて
いる。
関連リンク 「権現信仰」
[次へ進む] [バック]