[五月]
五日 〈伝統行事 − 菖蒲の節句〉
 菖蒲と蓬を二三本ずつ戸口や窓の軒先に刺して、鬼(悪霊)を寄せ付けないようにし
ます。この日は農休日とし、神前にお餅を供えて拝礼し、終わってご馳走を戴きます。
また菖蒲と蓬を入れた「菖蒲湯」に入ります。菖蒲や蓬は、屋敷内を蛇や虫から守り、
風呂に入れると万病に良いとされます。
 家の前には鯉のぼりを立てます。
 この日はまた馬の節句とも云い、各部落の駒形神社に馬を連れて行き、絵馬やお餅な
どを奉納します。大里の駒形神社や野尻の駒形神社はよく賑わいました。
 
 〈郷内行事 − 菖蒲の節句〉
 前日の宵節句の夕方には、菖蒲と蓬を軒先や窓に刺して戸窓を塞ぎ、鬼(悪魔・疫病
・災難)が家に入って来ないように厄除けをします。菖蒲と蓬には鬼を寄せ付けない力
があるとされ、菖蒲で頭に鉢巻をしたり、腰や胸に巻いて痛み除けとし、また風呂に入
れて菖蒲湯をたてます。菖蒲が乾けば世中(ヨナカ、作柄)が良くなると伝えられ、子供は
菖蒲を藁で棒状に包み、縄紐を付けて「ショウブツ、カラブツ、アタッテモ、トガナイ
」「ショウブガラミニ、トガハナイ」などと言いながら地面に叩き付けて遊びます。そ
の後は屋根の上に投げ上げて置きます。
 
 町の旧家では男児の節句とし、床の間に武者人形・鎧兜・座敷幟などを飾り、外には
門幟・五月サツキ鯉幟・吹き流しを立てます。銭湯では菖蒲湯をたて、入浴者は普段より多
いと云ます。
 
 〈郷内行事 − 馬の放牧〉
 この日は馬を山に放す日でもあり、鬣タテガミと尾に菖蒲と蓬を結わえて放します。
 
八日 〈伝統行事 − 古四王神社祭典〉
 三ケ田の古四王神社の例祭日です。
 関連リンク[古四王神社]
 
二十五日 「天神講の儀」
 この日は、松舘菅原神社の氏子による天神講の儀を執り行います。
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田植上がり 〈伝統行事 − さなぶり〉
 稲の苗を束ねて洗い、その早苗を神前に供えて拝礼し、豊作を祈念します。田植えを
手伝っていただいた親類縁者を招いて、慰労の酒宴を張ります。
 
 〈郷内行事 − さなぶり〉
 田植えは通常、夏至を過ぎた頃に始め、半夏生ハンゲショウの前に終わるようにします。ま
た粟は夏至に蒔くように云われます。さなぶり(早苗振り)は田植えを終わった頃、田
植えを共同で行うヨェッコ仲間(ヨイコとも、結講ユイコウ)を家に招き、餅を搗いてご馳走し
ます。

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