22b 神社における参拝の作法
 
〈参拝を終わって〉
 
△直会ナオライ
 直会とは、「直り合い」のつまった語と云われ、「なおる」は平常に戻ること、即ち
祭典中の精神の緊張を解いて、普段の生活に帰ることとされています。それと共に、神
様に差し上げ、御霊ミタマの篭コもったお供物をお相伴することによって、御霊力や御神徳
を戴く大切な行事です。
 従って本来は、神社において催される宴会の意味ではありません。
 なお、簡単な直会は、御神酒オミキやお洗米センマイを戴きます。
 
△おさがり
 参拝の折、「撤饌テッセン」や「撤下品テッカヒン」として戴くものは、神様にお供えした「お
さがり」を分けて戴くものです。
 参拝が終わると「御神酒」を戴きますが、これもまた、こうして神様にお供えしたお
酒を頂戴し、神様の御加護ゴカゴを受けるものです。
 
〈参拝豆知識〉
 
△報賽ホウサイ
 神様にお願いした事が叶うと、お礼参りをします。これを報賽と云います。
 しかし、よく考えてみましょう。もし特別なお願い事が叶わなかったとしても、何事
のなく無事な日々を送れるのは、真に幸せなことではないでしょうか。神社に参拝して、
「ありがとうございます」と云う感謝の心を常に忘れずにいたいものです。
 
△賽銭サイセン
 神前に上げるお賽銭は、古くはお米を用い、散米サンマイとか打撒ウチマきなどと呼ばれてい
ました。お米を撒く風習は神話に見えるほど古いもので、元々お祓ハラいの意味が強く、
更に神様への捧げ物でもありました。貨幣の流通と共に、散米から散銭へ、そして神様
へ捧げる真心の印シルシと云う意味合いが強まり、今日の賽銭の名称が生まれました。
 
△おひねり
 主として硬貨が流通していた昔は、神社の神前や家々の神棚に、硬貨をそのままお供
えするのではなく、その素直な意志を紙(小さい白紙)で包み、残った余りの部分を上
部で捻ヒネり上げる"おひねり"の形で示すと云う、丁寧なことも行われていました。そこ
に人々の良き心の表れを見ることができます。
 
△鈴
 鈴はその清々スガスガしい音色から古来、神事に用いられてきました。神前に懸けた鈴
の由来ははっぎしませんが、鈴を鳴らすことで、綺麗な音色を神様に捧げ、また参拝す
る人々も澄んだ気持ちになれます。
 更に、音で願いが叶うかどうか判断できるとも云われ、鈴に付いている麻や紅白、五
色の紐ヒモをこうした意味から叶緒カネノオと云います。

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