28 天満宮を詠める和歌
参考:吉川弘文館発行「古事類苑」
〈北野神社〉
△祈請
身をつみててらしをさめよますかゞみ たがいつはりしくもりあらすな
(袋草紙 四 故顕輔卿)
△神託
うらやみにまよひし胸のかき陰り ふるは涙のさまをみてしれ
(続古事談 四神社仏寺)
△神異
思ひいづやなき名たつ身はうかりきと あら人神になりしむかしを
(古今著聞集 五和歌)
あはれとも神かみならばおもふらん 人こそ人のみちはたつとも(北野縁起 下)
△雑載
いのりこふことのしるしと北野なる うへのかきねの松ぞみえける
(夫木和歌抄 三十四神祇 太宰大弐高遠)
さめぬれば思ひあはせてねをぞなく 心づくしのいにしへの夢
(新古今和歌集 十九神祇 前大僧正慈円)
〈太宰府神社〉
△社殿
曇りなき跡をしたひて我みるや たゞこれにしの秋のよの月
うら風の吹上の秋のおもかげも 波もたちそふ池のしら菊(以上 筑紫道記 宗祇法師)
鴬のはねをやとひて飛梅の かごにはいかでのらで来にけん(九州道の記 玄旨法印)
△祈請
神垣にむかしわが見し梅の花 ともに老木となりにける哉
(金葉和歌集 九雑 大納言経信)
すみなれしふるきみやこのこひしさは 神もむかしに思ひしるらむ(平家物語 八)
△雑載
還り来し都も今は秋の野に 残りて神やむかしこふらん(海陸吟)
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