18 神饌ミケ・シンセンを詠める和歌
 
                       参考:吉川弘文館発行「古事類苑」
 
△名称
あぢむらの さわぎきほひて はまにいでて 海原見れば しらなみの やへをるがう
へに あまをぶね はらゝにうきて おほみけに つかへまつると をちこちに いさ
りつりけり 中略(萬葉集 二十)
 
△神酒ミキ
ときさわの神社モリに三輪すゑいのれども 我が大王オホキミはたかひしらしぬ
                               (萬葉集 二挽歌)
 
五十串イクシ立て神酒ミワすゑまつる神主部ハフリベが うずのたまかげ見ればともしも
                                (同 十三雑歌)
 
千早振いづもの社にみわすゑて ねぎぞかけたる紅葉ちらすな(永久四年百首 雑)
 
しらざりつみわすゑまつるみそぎ河 神さへうけぬ思ひせんとは
                         (夫木和歌抄 九雑 隆信朝臣)
 
△懸税カケヂカラ(稲)
今日といへば田面の秋に打出て 穂掛の稲を先いそがなん
                          (詠大神宮二所神祇百首和歌)
 
△米
しめのうちにきねのおとこそきこゆなれ いかなる神のつくにかあるらむ
                       (金葉和歌集 十雑 神主成助・行重)
 
△精米・果(米扁+果)米クワマイ
きねがとるそのくましねに思事 みつてふかずをたのむばかりぞ(権中納言俊忠卿集)
 
△散米
恋せじと神の御前にぬかづきて さんぐの米の打はらふ哉(七十一番歌合)
 
△餅
初春の餅ひのかゞみけふ見れば 神と君との影ぞならべる
                  (幕府年中行事歌合百首題 日光久能雨宮御鏡)
 
△菜蔬
今日はとて七葉の神に備祭る 若菜は誰かつみ始けむ(詠大神宮二所神祇百首和歌)
 
君ぞ見む名におふ布子の根たかうな 其畑ものといやつぎつぎに
                           (幕府年中行事歌合百首題)
 
△鳥獣魚介
うかは立てとらさむあゆのしがはたは われにかきむけおもひしおもはば
                         (古事記伝 十六 萬葉集二十)
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