17a 幣帛ミテグラ・ヘイハクを捧げて詠める和歌
 
△玉串
ぬれてほす玉串の葉の露霜に あまてるひかりいく代経ぬらん
                  (新古今和歌集 七賀 摂政太政大臣藤原良経)
 
おのづから猶ゆふかけて神山の 玉ぐしの葉にのこるしらゆき
                      (風雅和歌集 十五雑 前大納言為家)
 
あきらけき玉ぐしのはの白妙に したつ枝までぬさかけており
                         (同 十九神祇 前大僧正慈勝)
 
神風やのどかなる世と白露の 玉ぐしのはの枝もならさず
                      (新葉和歌集 九神祇 前中納言為忠)
 
△幣串
五十串イクシ立て神酒ミワすひまつる神主部ハフリベの うずのたまかげ見ればともしも
                              (萬葉集 十三雑歌)
 
初苗にうずの玉かず取そへて いくしまつらんたちつくりえに
                           (堀河院御時百首和歌 春)
 
ますらをがこなでの道にいぐしたて 水口まつるほどはきにけり
                          (夫木和歌抄 五春 源師光)
 
△奴佐袋
あさからぬ契むすべるこゝろばは たむけの神ぞしるべかりける
                         (拾遺和歌集 八雑 よしのぶ)
 
行舟のさき玉まつるぬさなれば はやちひがたもふかじとぞおもふ(兼道浸透百首)
 
△幣帛書和歌
春山に霞たち出ていつしかと 時のしるしやありけんとみん(相模集)
 
かはらむとおもふいのちはをしからで さてもわかれんことぞかなしき
たのみてはひさしくなりぬすみよしの まつこのたびのしるしみせなん
ちとせよとまだみどりごにありしより たゞすみよしのまつをいのりき
                         (以上 袋草紙 四 赤染衛門)
 
天川なはしろ水にせきくだせ あまくだります神ならば神(俊頼口伝集 上 御製)
 
△神馬
千はやぶるいづしの宮の神のこま ゆめなのりそよたゝりもぞする(重之集 下)
 
我君の手向の駒を引つれて 行末遠きしるしあらはせ(吾妻鏡 十五)
 
渡会の宮のみむまや改て 駒迎するみやこびとかな(詠大神宮二所神祇百首和歌)
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