16 神拝のときに詠める和歌
 
                       参考:吉川弘文館発行「古事類苑」
 
△遥拝
ひきつれて葵かざしゝそのかみを 思へばつらしかものみづがき(源氏物語 十二須磨)
 
うき世をばいまぞわかるゝとゞまらん 名をばたゞすの神にまかせて(同)
 
みちのべのかものかはらのふしをがみ ふるきのあふちかげもなれにき
                         (夫木和歌抄 八夏 信実朝臣)
 
△雑載
世の人の 貴みねがふ 七種ナナクサの 宝も我は 何せんに 中略 しろたへの たすき
をかけて まそ鏡 てにとりもちて 天神アマツカミ あふぎこひのみ 地祇クニツカミ ふして
ぬかづき かからずも かかりも神の まにまにと 立ちあさり 我がこひのめど 下
略(萬葉集 五雑歌)
 
かき曇りあやめも知ぬ大空に ありとほしをば思ふべしやは(紀貫之集 十雑)
 
思より友をうしなふ源の 家にはあるじ有べくもなし(源平盛衰記 四十六/八幡宮)
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