08 諸神をよめる和歌
 
                       参考:吉川弘文館発行「古事類苑」
 
△官衙神
ちかきだにきかぬみそぎをなにかその から神までは遠く祈らん
                       (後拾遺和歌集 十六雑 少将内侍)
 
みしまゆふ かたにとりかけ かたにとりかけ 
 我から神の からをぎせんや からをぎせんや 
やひらでを 手にとりもちて 
 我から神の からをぎせんや からをぎせんや
                                (神楽歌 採物)
 
△第宅神(宅神祭)
みむろ山みねのさかき葉よろづよに をりてまつらんわがやどの神
                      (夫木和歌抄 三十四神祇 能宣朝臣)
 
榊葉の霜うちはらひかれずのみ すめとぞいのる神の御前に
                   (新古今和歌集 十九神祇 大中臣能宣朝臣)
 
年ごとにまつらんかずはきねぞみむ いたゞくかみのしらけゆくまで(忠見集)
 
ときはなる山の榊を折とりて かはらぬ宿のしるしにはさす(経信卿母集)
 
神代よりいはひそめてしあし引の 山のさかきば色もかはらず(源道済集)
 
ゆふかけてたれかみわかんみてぐらに 咲みだれたる宿の卯花(同)
 
山がつのかきねにいはふやかつかみ 卯花さけるをかに□るかと
                   (木工権頭為忠朝臣家百首 雑 兵庫頭仲正)
 
あつかたてはざらとりすゑやかつかみ まつるうづきにはや成ぬとか
                              (同 伊豆守為業)
 
かしは木の杜の下ばををりしきて やかつみかみをまつる比かな(土御門院御集)
 
△同(竈神祭)
ならがしはそのやひらでをそなへつゝ やどのへつひにたむけつる哉
                 (木工権頭為忠朝臣家百首 雑 勘解由次官親隆)
 
△同(庭神祭)
にはなかのあすはの神にこしばさし あれはいはゝむかへりくまでに(袖中抄 十六)
 
今さらにいもかへさめやいちじるき あすはの神にこしばさすとも(同)
 
いまさらにいもかへさめやいちじるき あすはのみやにこしばさすとも
                             (散木葉謌集 六神祇)
 
たのむぞよあすはの宮にさす柴の しばしが程もこねば恋しき
                       (新千載和歌集 十四恋 法印定為)
 
△同(恵比寿棚)
めだたいをかけてぞ思ふ戎棚エビスタナ つった所がおもしろいとは
                           (後撰夷曲集 一春 元信)
 
△同(荒神棚)
浅草の市のにはとりしめ縄を 荒神棚にかけろとやなく(千紅萬紫)
 
△同(年徳棚)
としとくの棚をもかりにしつらへば 宿茶に似たるけふの大ふく
                           (後撰夷曲集 一春 之時)
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