02c 論語一日一言
3[治世]
斉之以刑 民免而無恥 これを斉トトノうるに刑ケイをもってすれば、民タミ免れて恥
ずるなし
挙直錯諸枉 則民服 直ナオきを挙げてこれを枉マカがれるに錯オけば、民タミ服せ
ん
民可使由之 不可使知之 民タミはこれに由ヨらしむべし。これを知らしむべからず
好勇疾貧乱也 勇ユウを好みて貧ヒンを疾ニクむときは乱ランす
如有周公之才之美 使驕且吝 もし周公シュウコウの才サイの美ビありとも、驕キョウかつ吝リン
其余不足観也已矣 ならしめば、その余ヨは観ミるに足タらざるのみ
天下有道則見 無道則隠 天下に道あるときは見アラわれ、道なければ隠カクる
不在其位 不謀其政也 その位クライにあらざれば、その政セイを謀ハカらず
卑宮室 而尽力乎溝洫 宮室キュウシツを卑ヒクくして、力チカラを溝洫コウキョクに尽くす
民無信不立 民タミ、信シンなくんば立たず
百姓不足 君孰与足 百姓ヒャクセイ足タらずんば、君、たれとともに足らん
聴訟君猶人也 必也使無訟乎 訟ウッタえを聴くは、われなお人のごとし。必ずや訟えな
からしめんか
政者正也 政セイは正セイなり
苟子之不欲 雖賞之不竊 いやしくも子シの不欲フヨクならば、これを賞ショウすといえ
ども竊ヌスまざらん
子路問政 子曰先之労之 子路シロ、政セイを問う。子シ曰イワく、これに先んじ、これ
を労す
上好礼 則民莫敢不敬 上カミ、礼を好めば、民タミ、敢えて敬ケイせざることなし
曰既富矣 又何加焉 曰教之 曰イワく、すでに富めり。また何をか加えん。曰く、こ
れを教えん
葉公問政 子曰近者説 遠者来 葉公ヨウコウ、政セイを問う。子シ曰イワく,近き者説ヨロコび、
遠き者来たる
以不教民戦 是謂棄之 教えざる民タミをもって戦う、これ、これを棄スつと謂イ
う
邦有道穀 邦無道穀恥也 邦クニに道あれば穀コクす。邦に道なきに穀するは恥なり
上好礼 則民易使也 上カミ、礼を好めば、民タミ使いやすし
不患寡而患不均 不患貧而患不安 寡スクナきを患ウレえずして均ヒトしからざるを患え、貧
マズしきを患えずして安ヤスからざるを患う
天下有道則庶人不議 天下に道あれば庶人ショジンは議ギせず
能行五者於天下為仁矣 よく五つのものを天下に行なうを仁ジンとなす(恭・寛
・信・敏・恵)
悪利口之覆邦家 利口リコウの邦家ホウカを覆クツガエすを悪ニクむ
女子与小人為難養也 近之則不 女子ジョシと小人ショウジンとは養い難ガタしとなす。これを
遜 遠之則怨 近づくれば不遜フソン、これを遠ざくれば怨ウラむ
寛則得衆 信則民任焉 敏則有 寛カンなれば衆シュウを得エ、信シンなれば民タミ任ニンじ、敏ビン
功 公則民説 なれば功コウあり、公コウなれば民説ヨロコぶ
不教而殺 謂之虐 教えずして殺す、これを虐ギャクと謂イう
不戒視成 謂之暴 戒めずして成るを視る、これを暴ボウと謂イう
慢令致期 謂之賊 令レイを慢マンにして期キを致す、これを賊ゾクと謂イう
猶之与人也 出内之吝 謂之有司 ひとしく人に与アタうるに出内スイトウの吝ヤブサカなる、こ
れを有司ユウシと謂イう
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